名探偵コナン 紺碧の棺
採点:★★★☆☆☆☆☆☆☆
2007年12月8日(DVD)
原作:青山 剛昌
監督:山本 泰一郎

このシリーズもとうとう11作目。「パイレーツ・オブ・カリビアン」の3作目と同じ年に公開ということもあってか、このシリーズ最新作も海賊をテーマにしている。

強盗犯を追いかける高木・佐藤刑事。壮絶なカーチェイスの末に犯人を逮捕するが、その犯人から聞きなれない言葉が・・・。
一方、コナンたちは太平洋に浮かぶ神海島に来ていた。島では、最近、300年前に実在した女海賊の宝の一部である銀の食器が発見されたことから、いつも以上に人があふれかえっていた。3人組のトレジャーハンターがサメに襲われ、1人が死亡してしまう。その真相を探るうちに海賊の残した宝の所在地を突き止めるが、トレジャーハンターに蘭と園子をさらわれてしまう―――!!

「なんか、いまいち盛り上がりに欠けた」
300年前の海賊が残したお宝。謎の海底神殿・・・と面白い要素をちりばめてはいるのだが、なんかどれも浅い。
例えば海底神殿。人工なのか、それとも自然の悪戯なのか不明と言っているが、明らかに人工だろ!?百歩譲って、外観からは判断つかないとしても、神殿内部にある侵入者対策の仕掛けとか、人工以外の何者でもない。
いろいろな要素が散りばめられているが、それぞれが単発で、お互いのイベントが関連していない。だから、今までの作品のようなスリル感がないし、ドキドキ感もない。特に蘭と園子がさらわれてしまったにも関わらず、それほどのピンチになるでもなく、今までのシリーズのような絶体絶命!的なピンチがないし、またそのピンチをコナン(時に怪盗キッドなどサブキャラ)の天才的な頭脳をもってどうやって切り抜けるのか?というワクワク感も今作に関しては、非常に薄い。

そう!謎解きが非常に薄いのだ!!

コナンの売りと言えば、謎解きのはずだと個人的には思っている。それがTVシリーズであれ、映画であれ、そこだけは必須のはずだと思っていた。映画版の時は、そこに何らかのアクションなり、アドベンチャーなり、パニック映画的要素が加味されてきた。
が、この作品に関しては謎解きが非常に薄い。一見コイツが怪しい!って思った奴が本当に犯人で、しかもそのトリックというか、謎もとてもわかりやすく、何のひねりもない。だからコナン映画史上、最低レベルの犯人探しになってしまってます。
しかも犯人そのものも、それほど深い情熱を持って犯行に及んでいるわけでもないので、そんなんだったら、犯行に及ぶなよ!ってくらい情けないです。

とはいえ、オープニングのカーチェイスはなかなか面白かったです。
カーチェイスとしての面白さはもちろんのこと、笑いとしても面白かった。犯人がルパンと不二子のマスクをかぶって逃走していて、それを見た高木刑事が「犯人はルパンと不二子です!」って無線で本部に訴えるが、本部からは「・・・ふざけてるのか?」の一言。同じ日本テレビの作品ということで、こういったリンクは今後もぜひぜひやってほしい。来年あたりは、ルパンじゃなくて、リュークとか登場したりしなですかね?Lの後継者として、コナンが活躍!とか・・・。
絶対無いな・・・。

率直な感想としては、映画にするようなストーリーではなかった。TVの2時間スペシャルで良かったのではないだろうか?というのが、本音です。

一口コメント:
コナン映画史上、最低の作品です。

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