チャーリーズ・エンジェル ~フルスロットル~ |
前作が「マトリックス」の影響を受けてか、ワイヤー・アクションをふんだんに使用し、世界中でヒットした。そして今作は「マトリックス」の公開直後という時期にぶつけてきた!!
ナタリー、ディラン、アレックスは、拉致された米警察機構の重要人カーターを救出するため、モンゴルにあるテロリストの基地へと潜入し、50人の敵の包囲網を突破し、鮮やかに目的を遂行する。しかし、これはさらなる事件のプロローグだった。
犯人の狙いは、アメリカ政府が連邦証人保護プログラムで匿っている対組織犯罪の最重要証人リストだった。カーターはそのリストにアクセスするための“指輪”を奪われてしまった。
そして犠牲者が現れる。殺害現場に残されたワックスの香りから、サーファーに目星をつけてマリブ・ビーチ、さらにモトクロス競技場へと捜査をすすめるエンジェルたち。そこで、少年ライダーの殺害を防ぎ、復讐のターゲットとなっている証人たちの写真を入手した。その中にはディランの写真があった!
ディランの過去を知った2人、そして2人を危険に巻き込みたくないディランは2人の元を去っていく・・・。
デミ・ムーアが久しぶりにスクリーンに戻ってきた。離婚して以来、スクリーンでは久しく見ていなかったが、今回悪役として戻ってきた。しかも元夫ブルース・ウィリスもカメオ出演していて、この辺の話題作りは非常に上手い。ハリウッド方式とでも言えば良いだろうか?
そして前作同様、コスプレも多い。シスター、ストリッパー、ホットドッグ・スタンドの売り子、汚れたツナギの作業員など。私としてはエンド・ロールの赤いジャンプスーツのウォッシュ・ガールがお気に入りです。
前作からのリンクも多い。その典型的なものが、3人のエンジェルの異性関係。ナタリーはピートと同棲をはじめ、ディランは相変わらず悪い男を好きになるし、アレックスは俳優のジェイソンと距離を置いている。そのジェイソンが「M:E2」という映画に主演しているのだが、こういうパロディはありなのか?と思わずにはいられなかった。
そしてこの映画の面白いところはやはりワイヤー・アクションをはじめとするアクション・シーンではないだろうか?今回の作品において見せ場はいくつかある。モトクロスのレース中に空中でバトルを繰り広げたり、ハイウェイを疾走するクルマをソリのようなもので追跡したり、ハリウッドでのカー・チェイスなど。しかし一番の見せ場は巨大ダムから落下するヘリに飛び移るシーンではないだろうか?それが映画の冒頭にあり、一気に映画に引き込まれる。しかしそのぶん、最後の格闘シーンは物足りなく感じた。最初に見せ場を持ってきてしまうと、最後はそれ以上のものを持ってこないと見ている最中は面白いと思っても、見終わった後に何も残らない作品になってしまうという典型的な例かもしれない。これは他の作品の良いところばかりを集めたからだという気がしなくもないが。
あまり良いところを書いていないが、なんと言っても3人のエンジェル達の設定は魅力的だ。ナタリーとアレックスに関しては素晴らしい経歴を持っていて、言うなればスーパー・ウーマン。そこに言うなれば不良少女だったディランが加わり、不可思議な3人組が成り立っている。3人とも人間離れした女性であるのだが、3人それぞれに短所を持っていて、人間臭い部分もあり、そうした部分に魅力を感じずにはいられない。愛すべきエンジェルたちです。
続編があれば、恐らく見てしまうでしょう。