インディー・ジョーンズ/魔宮の伝説
採点:★★★★★★★☆☆☆
2005年2月10日(DVD)
主演:ハリソン・フォード
監督:スティーブン・スピルバーグ

20世紀の映画界を代表する二人が手を組んだアドベンチャー・シリーズ第二弾。

1935年、上海。インディーはあるナイトクラブでラオ・チェーという男と話をしていた。しかし、ラオが盛った毒を飲んでしまい、解毒剤をめぐって、乱闘が繰り広げられる。インディーはクラブの歌手ウィリーと共に、中国人少年ショーティの助けを借り、何とか逃げ出し、飛行機に乗り込んだ。
しかし3人を乗せた飛行機はラオのもので、3人が眠っている間にパイロットはパラシュートで脱出してしまう。それに気がついた3人はボートに乗り込み、飛行機から脱出。ボートは雪をかぶった斜面に着地し、さらに崖から転落し、川へと流れでる。
3人はある村の長老と出会い、村へと案内される。その村はパンコット宮殿から来た人間たちに、サンカラ・ストーンと呼ばれる守り石を奪われ、子供たちを連れ去られていた。長老から石を取り戻してくれと頼まれたインディーは、宮殿へと向かう。宮殿の寝室で地下へと通じる秘密の通路を発見し、3人は中へ入っていく。
たどり着いた神殿では、儀式が行われていたが、。儀式が終わって皆がいなくなると、インディーは祭壇に近づき、サンカラ・ストーンを取り戻すが、すぐに発見され、捕われの身になってしまう。インディーはあるものを飲まされ、正気を失い、ウィリーも生け贄にされてしまう。そこに地下の労働場所から逃げ出したショーティが現れ、インディーを正気に戻し、辛くも難を逃れた3人は、子供たちを逃がし、トロッコに乗り込み、脱出を試みる―――。

パート1に引き続き、オープニングから物語に引き込まれる始まり方になっている。しかも今作はインディーが白いスーツで登場し、一瞬違うシリーズを見ているのか?と思ってしまう。見た目は違っても、すぐにインディー・シリーズだということがわかる。それは考古学的な品をめぐっての取引がこじれて、銃撃戦になり、飛行機に逃げ込むが、それも罠で、ボートに乗って空中遊泳+激流下り、と次から次へとアクション・シーンが展開されていくからだ。
そしてもう一つ、インディー・シリーズといえば、グロテスクな描写も忘れてはいけない。パート1では、床一面を埋め尽くす蛇、そして体に張り付くタランチュラ(蜘蛛)といった描写がそれにあたるが、この作品はシリーズ3作品の中でもグロテスクさにかけては群を抜いている。
今作で床一面を埋め尽くすのはムカデをはじめとする虫。特にウィリーが迫り来る天井につぶされそうになるインディーを助けるために、虫が一面を埋め尽くす穴に手を突っ込むシーンはすさまじい。
そしてなんといっても、ゲテモノ料理のオンパレード。ヘビの詰め物、サルの脳みそシャーベット、目玉スープなど、これでもかというくらいにゲテモノが登場する。それを女性の反応を通して描くことで、我々オーディエンスに対して、より一層、そのグロテスクさを伝えているのはスピルバーグの手腕と言える。

映画のストーリーを追ってゆけば矛盾だらけのストーリーなのだが(ショーティーがインディーが窓から落ちてくる事が判っていたのは何故?とか、飛行機からゴムボートで脱出できるのか?いやそれ以前に何でゴムボートが積んであるんだ?とか・・・)、そんなことを考えさせる暇もなく、ストーリーはどんどん進んでいく。ジェット・コースター・ムービーと呼ばれる所以であるが、パート1のコメントに"ジェット・コースター・ムービーの元祖"と書いたが、その言葉を文字通りに実体化し、定着させたのが、この作品の見せ場の一つであるトロッコのシーン。
逃げるトロッコと追跡するトロッコの二台に分かれ、ドタバタ冒険活劇を繰り広げる。このトロッコのシーンの中にもいろいろな要素が詰め込まれていて、笑いあり、スリルあり、とスピルバーグならではのテンポを楽しむことができる。

そしてラストシーン。インディー自ら吊橋を叩き切り、崖ぷっち(いや、崖っぺりか?)での攻防が描かれるシーンだが、パート1でのあまりにも浮いてしまったエンディングと異なり、この作品の色を濁さない見事な演出になっている。しかもCGではない、人間描写。どこかぎこちなさが残るが、それはそれで味があると言うか、時代を感じさせてくれて、映画の発展の歴史のようなものを感じ取ることができて、肯定的に見ることができた。

一口コメント:
"ジェット・コースター・ムービー"という言葉を普及、そして定着させた作品です。

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