ラッシュ・アワー2
採点:★★★★★☆☆☆☆☆
2001年10月11日(映画館)
主演:ジャッキー・チェン、クリス・タッカー
監督:ブレット・ラトナー

これでこそ、ジャッキー映画!
正直、前作パート1では、アクションの少なさにがっかりしていた。見せ場らしい見せ場といえば、ラストシーンだけだった気がする。それが今回は格闘シーンが多く、いつものジャッキーらしい、道具を使った格闘(椅子やソファ、ビルの側壁の竹の足場などなど・・・)もふんだんに盛り込まれていて、満足のいくものであった。
中でもマッサージ・サロンでの格闘シーンは2人の息がぴったりで、道具との愛称もぴったりで、とてもよかった。

ストーリーとしてはパート1の続きの設定で始まる。1の最後で香港行きの飛行機に乗り込んだ2人だったが、今回はその香港で休暇中の2人という設定から物語りは始まる。
香港のアメリカ大使館での爆破事件が起き、その首謀者とみられていたタンを追いかけて、船上パーティーに潜入するが、そのタンがリー警部(J・チェン)の目の前で殺し屋フー・リに銃殺される。それで事件は振り出しに戻ってしまうが、カーター刑事(クリス・タッカー)が、そのパーティーで口説いた女性の連れであった白人男性を追い、ロサンゼルスへ。
2人はその女性に接触することができ、彼女がシークレット・サービスで、偽札の捜査をしていることを知る。そこで彼女に協力することになった2人だが、フー・リにつかまってしまう。辿り着いたのはラスベガス。なんとか逃げ出し、犯人のアジトであるカジノを突き止めて、そこに乗り込んだ2人。犯人たちの狙いは、そのカジノで偽札をばら撒き、本物の金を集めることだった。
そして事件の黒幕は、なんと・・・。(ここから先は見てください。)

というわけで、ストーリー展開は1に比べて、格段とよくなっている。ジャッキーの父親が殉職した時の話なども盛り込まれていて、ストーリーがしっかりしていることは、間違いない。が、それをシリアスには見せずに、2人のコメディを前面に出しているため、あまり印象に残らないかもしれない。これは、コンビの刑事もの映画の宿命なのかもしれない。「ビバリーヒルズ・コップ」しかり、「48時間」しかり、「リーサル・ウェポン」しかり、どのシリーズもストーリーはしっかりしているが、それを前面に出そうとはしていない。そこをコメディタッチに描いたことでヒットしたとも言える。
だが、これらの映画と大きく違うのは、これら3シリーズは白人と黒人の刑事コンビだったが、「ラッシュ・アワー」は黒人と東洋人という、今までにはない設定。それがアメリカでうけている秘訣なのかもしれない。
また、コメディとしても、前作では無口で、あまりしゃべることのないジャッキーだったが、今作ではしゃべりも面白く、隣のビルから女性の着替えシーンをのぞく場面などは、今までのどのジャッキー映画にもなかったジャッキーの一面だ。エンド・クレジットのNG集も脚本ではなく、アドリブばっかりで、本編よりもかなり面白かったので、撮影現場でも終始楽しく撮影していたんだろうなと、思った。
そして、アクション、ストーリー展開、コメディの他にも女優も質が上がっていた。前作は誰が出ていたのかさえ、忘れてしまっているが、今作はアカデミー賞を獲得した「グリーン・デスティニー」のチャン・ツィイーが女殺し屋として出演していて、綺麗な顔をしてクールなアクションをこなすあたり、かなりカッコイイ!!そしてもう1人、シークレット・サービスの女性捜査官役のロセリン・サンチェスも綺麗だった。チャン・ツィイーは今後も注目していきたいと思った。

よく、パート2はパート1よりも面白くないと言われるけれど、この作品に関してはその法則は当てはまらない!自信を持ってそう言える、そんな作品です。

一口コメント:
パート1と比べて、アクション、ストーリー展開、コメディ、女優、
すべてにおいてグレード・アップしています。

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