ファインディング・ニモ
採点:★★★★★★★☆☆☆
2004年1月4日(映画館)
主演:アルバート・ブルックス、エレン・デジュネレス
監督:アンドリュー・スタントン

モンスターズ・インク」のスタッフが作ったということで前評判の高かった作品。アメリカでは2003年度公開作品としては興行収入1位の作品となった。

カクレクマノミのマーリンは400個の卵を前に父親になる喜びで一杯だった。しかしサメに襲われ、妻はおろか一つの卵以外はすべて奪われてしまう。その一つの卵から孵った息子をニモと名付け、育てること5年、学校への初登校日を迎えた。
しかしマーリンの目の前でニモはダイバーに捕らえられてしまう。マーリンはニモを探す旅に出る。途中極度の健忘症のドリーを仲間にし、サメと戦い、ちょうちんアンコウと戦い、クラゲと戦いながら、ニモの居場所を見つけ出す。
一方ニモは捕らわれた水槽の中で仲間と共に脱走計画を試みる。
そしてマーリンとニモはシドニー湾で再会するのだが、再び人間に捕らわれそうになる・・・。

今までの映画にはない魚を主人公にした奇抜な設定と、見ていて何の違和感もない魚の動きで物語に引き込まれていった。魚を主人公にして、物語の大半が海中で進むというのはアニメならではの話だと思うのだが、覚えている限りでは最初から最後まで海の中で物語が展開される映画はなかった。海の上(「タイタニック」)や海岸(「ジョーズ)での物語は思い浮かぶのだが・・・。
また親子愛という普遍的なテーマや学校、横断歩道といった人間界の環境を物語に取り込んでいるのも、物語に引き込まれる要素の一つだろう。他にも東オーストラリア海流をフリー・ウェイに見立てたりしていて、海の中の物語とはいえ、見ていて現実的な感覚を覚えこそすれ、非現実的な感覚に捕らわれることはなかった。

マーリンとドリーのコンビは心配性と健忘症という設定で笑いを誘ってくれる。この二人(二匹か?)の設定もそうだが、個人的にはニモの捕らえられた水槽の中で描かれる脱走劇や人間を恐れる魚達の設定が人情味(魚情味か?)に溢れていて、とても好きな場面の一つである。
この海の中と水槽の中という二つの側面から描いた点も物語を面白くさせているのではないだろうか?
そしてこの物語の核ともいえる親子の再会シーンは意外とあっけなく描かれていたが、それがかえって現実的で、非現実的な映画ばかりを見せられていた目には新鮮に映った。

今までのディズニー映画とは異なる視点で描かれた新しいディズニー映画の誕生と言えるのではないでしょうか?

一口コメント:
海中で物語が進展するという今までにない斬新な設定ながら、親子愛という普遍的なテーマの作品です。

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