ロスト・イン・トランスレーション |
友人に借りたDVDの中の一枚だったが、これだけはあまり魅かれるものがなかったため、最後まで残っていた一枚。
ハリウッド・スターのボブ・ハリスは、CM撮影のために来日した。ホテルに到着して、すぐに妻からFAXが届く。息子の誕生日の不在を責める内容だった。
同じホテルには、フォトグラファーである夫の仕事に同行してきたシャーロットが滞在していた。仕事一筋の夫と一緒にいることができない彼女は、一人で過ごす時間が多くなっていた。
ホテルのバーへと向かったボブは、その日の朝エレベーターで出会ったシャーロットを見つける。そして、ボブの視線に気づいた彼女から、1杯のカクテルが贈られてくる。翌日、バーのカウンターに並んで座り、話をしていく内に二人は打ち解けていく。
シャーロットの友人のパーティに誘われ、夜の街へと出かけ、東京に来て初めて開放的な気分を味わう二人。CM撮影が終了したボブは、急遽舞い込んだテレビ出演の話を承諾し、滞在を延ばすことにする。日中はスシ屋やシャブシャブ屋でランチを共にし、夜はホテルの部屋で酒を飲みながら時間を過ごす二人だったが、ボブ帰国の時が迫っていた・・・。
はっきり言って、何だかな~?って感じの映画でした。見る前に抱いていたイメージとなんら変わりない内容で、退屈でした。アメリカで日本を舞台にした映画を見るということで、不思議な感覚を抱かせてくれるのかな?と少しは期待していたのですが、緒戦はやはりアメリカ人の作った日本映画ではない、Japanese Movieです。
この映画では、東京は日本の首都というよりは、外国人が孤独を感じる街として描かれている。カラオケBOXに行ったり、ゲーセンに行ったり、他のハリウッド製Japanese Movieに比べて、現実に即した描写をしているなとは思ったものの、そこに登場する日本人の描写の仕方が気に食わない。
まずはボブの通訳。そんな通訳ありか!?それで金もらって仕事してんのか?まだ俺の方がマシじゃん!って思わされるひどい通訳で、日本人をバカにしてるのか?、映画においては世界標準に完全に遅れを取っているかもしれないけど、通訳に関しては日本は世界レベルについていってるはずだぞ!そもそも日本のCMに出演するほどのハリウッド・スターの通訳といえば、日本でもTOPクラスの通訳がつくはずだろう!
それ以前に、そんなレベルのハリウッド・スターが通訳を連れてこない、それどころかマネージャーもいない、そしてボディー・ガードもいない状態で一人で東京の街をぷらぷらできるほど、東京の人間はハリウッド・スターを見慣れてないだろ?
映画の設定として、言葉の通じない環境において、孤独を感じる設定が必要だったのだろうが、このような設定なら、通訳もマネージャーもいるが、通訳とマネージャーが行方不明になってしまい(かなり極端ではあるが・・・)、といった感じで、どうしても一人にならなければいけない設定を作り出してほしかった。
そして途中に出てくる富士山の見えるゴルフ場や京都のシーンは何なんだ?まったくもって意味がない。東京という日本の現代との比較として、古来の日本を描きたかったのだろうか?それならもっと京都らしい京都の街を描いてほしかった。清水の舞台なり、金閣なり、伏見稲荷なり、誰が見ても、京都だって、わかるような京都を描くべきではなかったのか?この作品の中では京都駅の駅名の表示がなければ、日本人ですら京都だということがわからないような中途半端な描写であり、東京との比較対照としては、あまりにも情けないシーンであり、こんな描写ならないほうが良かったと思わされた。
ひょっとして、上映時間的な問題があって、このシーンを要れずにはいられなかったのだろうか?とすら思わされる内容だった。
映画の設定として、言葉の通じない環境において、孤独を感じる設定が必要だったのだろうが、最初の設定があまりにも非現実的なため、作品に入り込めず、最後まで批判的な見方になってしまった。