グッド・ウィル・ハンティング
採点:★★★★★★★★☆☆
1998年4月1日(映画館)
主演:マット・デイモン、ロビン・ウィリアムス、ベン・アフレック
監督:ガス・ヴァン・サント
脚本:マット・デイモン&ベン・アフレック

この映画を始めて観たのは1998年、ちょうどアカデミー賞の頃だった。この年のアカデミー賞はすごかった。良作揃いだった。作品賞にノミネートされたのはこの作品と「恋愛小説家」、「フルモンティ」、「L.A.コンフィデンシャル」、そしてあの「タイタニック」。どの作品も他の年だったら、オスカー像を獲得できるものばかりだった。しかし、この年は「タイタニック」に持っていかれてしまう。しかし自分の場合、毎年アカデミー賞で最も期待しているのは作品賞ではない。期待はしているが、一番ではない。かといって主演男優賞でもない。それは脚本賞である。そしてこの秀作揃いの中で脚本賞を獲得したのが、この作品だった。

警察にお世話になる主人公ウィルがMIT(マサチューセッツ工科大学)の清掃員として働いていた。そこでウィルのある才能を大学の教授が見抜き、精神的に難しいウィルを精神分析医ショーンに紹介する。天才的な頭脳を持ったウィルと心に傷を負ったショーン、その2人を「ソウル・メイト(心の友)」というキーワードを通して物語は進んでいく。

この物語の中では、3つのソウル・メイトの関係がある。まずはウィルの才能を見抜いた教授と実は旧友だったショーン。この2人がウィルを通して仲直りしていく。2つ目はウィルとショーン。これは言うまでもないだろう。ショーンの言葉には納得させられる言葉が多い。ショーンはウィルの才能を認めた上で、「君の知識は本から得たもの」だと言う。だからいくら知識があっても説得力がないんだと。この言葉にはものすごく説得力があると思う。そんな才能をもてあましているウィルにたいして、こうも言う。「傷つくのが怖いんだ。だから自分を変えてまで先に進もうとはしない。」そしてあの名場面。「It's not your fault.(君のせいじゃない)。」と何度も言いながら、抱き合うシーン。このシーンでは号泣していた。

そして3つ目が親友チャッキー。さりげなく、かっこいい役柄。「お前は宝くじの当たりくじを持っていながら、それを尻に敷いたままか?」と言って、才能のあるウィルにゲキを飛ばしたり、毎朝車でウィルを迎えに行くことが習慣のチャッキーがある日、ウィルに言った。
一番のスリルは車を降りてお前んちの玄関に行く10秒前。ノックしてもお前は出てこない。何の挨拶もなくお前は消えている。そうなればいい。」と。
そしてエンディングで実際にそうなった時、心の奥をつかまれた感じがした。なんてかっこいいんだ。そして男の友情っていいもんだ、と改めて認識させられた。

本当に良くできた作品だが、この脚本もともとはマット・デイモンがハーバード大学の授業で書いたものを親友であるベン・アフレックと共同で手直しを加え、映画化となった。プライベートでも親友だからこそ書けた脚本なのかもしれない。

一口コメント:
男の友情が好きな人、そして人間の成長していく姿が好きな人には目からうろこものです!!

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