マイ・フレンド・メモリー
採点:★★★★★★★★☆☆
1998年1月14日(映画館)
主演:キーラン・カルキン、エルデン・ヘンソン、シャロン・ストーン
監督:ピーター・チェルソム

ホーム・アローン」という映画をご存知だろうか?その映画の主役、マコーレー・カルキンという天才子役の弟、キーラン・カルキンがこの映画の主人公を演じるということで、どんな演技をするのだろうと思い、観に行った作品。

マックスという体は大きいが、とろい少年の家の隣にケビンという天才少年が引っ越してきたところから物語は始まる。ケビンはものすごく幅広い知識を持っているが、モルキオ症候群という難病に冒され、自分の命に期限があることを知っていた。
学校ではいじめられっこのマックスとケビンは次第に仲良くなり、マックスの体とケビンの頭脳を合わせて、今までお互いにできなかったこと、"不可能"を"可能"にしていく。
カーニバルの日、2人で花火を見にいくが、車いすのケビンには人の背中しか、見えない。そこでマックスは肩車をして、ケビンに花火を見せてやる。その時、ケビンは「あれはマグネシウム、あれは銅だ!」と叫び、マックスはケビンの博識さを知ると同時に、今までなら他人に対して何かをするなどしたこのなかった自分の中に何か変化が起きていることに当惑していた。
いじめっこ達にいじめられなくなり、マックスの父親が刑務所から釈放され、一度は誘拐されるが、体の不自由なケビンの必死の努力によって何とか救出され、その時に友情の大切さを痛感した。
ある日、ケビンが発作を起こし、マックスは病院に駆けつけたケビンの母親が自動販売機を殴って怒りをぶつけているのをみて、ケビンの命が短いことを知る。
ケビンが退院した後、マックスがそのことについて話そうをすると、ケビンがある場所にマックスを連れて行く。ケビンは白い建物の前で、「この研究所で手術をして、怪我をしない、病気のしない体になるんだ。」と言う。マックスはそれを聞いて、ホッとする。これからも2人でやっていけるんだと思い、心の底から喜ぶ。
しかし、クリスマスのお祝いの日の朝、救急車がケビンの家に止まっているのを見て、マックスは裸足で家を出て、外にいたケビンの母にどうしたんですか?と聞く。母親はケビンが死んだことを告げる、その時、救急車が走り出した。信じられないマックスは救急車を追いかける。裸足のままで・・・。しかし、追いつくことはできず、いつかケビンの言っていた白い建物に向かった。ドアを開けて中に入るとそこは研究所などではなく、ただのクリーニング工場だった。マックスはただ呆然とその場に立ち尽くし、「嘘だ~!」と泣き叫ぶ。

救急車を追いかけるシーンから、このクリーニング工場までは涙、涙、涙。マックスはケビンが自分のために嘘をついてくれたことに気付き、それを現実として受け止められずに涙している。そこにケビン優しさ、友情を感じ取らずにはいられない。

ある時、ケビンは2人の関係を「フレンドシップではなく、パートナーシップだ」と言っていたが、マックスにしたら、そんなことは言葉の問題でなく、マックス自身がそれを体で感じて、成長したことが重要だったのではないだろうか?勉強のまったくできなかったマックスが、ケビンからもらった白紙の本を自分の言葉で埋めていき、この映画のストーリーを語っているラスト・シーンがそのことを顕著に表していると思う。

一口コメント:
少年の友情を軸に複雑な問題がいくつも絡んでいて、
ただの子供映画に終わっていない秀作!

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