Two for the Money |
ルームメートがもらった試写会のチケットで、ディレクターズ・ギルトの建物で見れる、そしてアル・パチーノが出ているということで見に行った作品。
大学のフットボールのスター選手だったブランドンは試合の流れを予知する能力を持っていたが、試合中に怪我を負ってしまう。しかし、ニューヨークでスポーツ・コンサルティング(スポーツ賭博の相談役)を経営するウォルターはその能力に目をつけて、彼を雇い入れる。
ウォルターによってジョン・アンソニーという名前でTVにも出演することになる。そしてウォルターの目をつけた能力をいかんなく、発揮し、ジョンことブランドンは瞬く間にスターになり、ウォルターの会社も資金をどんどんと増やしていく。ブランドンはウォルターの家族とも本当の家族同然に交流していく。
しかし、ある試合で予測を誤り、経営が一気に傾いていく。そして家族同然に交流していたウォルターの妻とも怪しい雰囲気になり、ウォルターとの仲も危うくなっていく。
この危機を回避するために、ある日、TV放送の最中にウォルターが「今度の試合、私たちの予想が外れて、視聴者が損をした場合は、それを会社が補填します!」という史上初めてともいえる大博打に打って出る―――。
最初、予告編を見た限りではアル・パチーノが悪役だと思っていたのだが、実際はちょっと精神的に病んだ役割で、今までのアル・パチーノにはありそうでなかった役だった。やはりどんな役を演じさせても完全にものにしているという意味で、ロバート・デ・ニーロと並んで、この年代ではトップ・レベルの俳優だ、というのを感じさせられた作品。
そして主役のマコノヒー。この映画のためにここまで作ったのか?という鍛え上げられた肉体。と考えてみたが、前作も「サハラ」だし、そうでもないか?とも考えた。どちらにしても、アメフトの一流選手であるというのを体現している。演技としても、最初は都会暮らしに憧れていた礼節をわきまえた田舎の若者といった感じだったのが、お金を稼ぐにつれて、女性遊びにも慣れ、最初は使えなかった"Fuck"という言葉を使うようになり(この"Fuck"という言葉をマコノヒーに言わせるためにアル・パチーノがあることをするのだが、その過程は面白い!)、徐々に都会人へと変貌していく様がうまく描かれている。
肝心のストーリーだが、ドラマとしては成功→失敗→成功という今までに何度も見たパターンだが、アル・パチーノの会話のノリの良さのせいか、見ていて飽きることはない。むしろ、英語さえわかれば、かなり面白い(もちろん、ブラック・ユーモアが大半だが・・・)。
ただし、やはり失敗の後の展開は読めてしまう。そこがもう少しうまく緊張感を持たせてもらえれば、より面白い作品になっていただろう。
スポーツに絡んだ映画としては、他の映画と同じくまぁまぁのレベルにあるといえるが(概して、スポーツものの映画というのは低いレベルのものも少ないが、高いレベルというものもなかなかなく、可もなく不可もなくって感じなので・・・)、この作品に関してはスポーツを賭けの対象として描いているだけなので、スポーツ映画でないことだけは、ここで言っておきたい。