ラブ・アクチュアリー |
「ノッティング・ヒル」や「ブリジット・ジョーンズの日記」を製作した英国のワーキング・タイトルの作品で周囲の反応も上々ということで見に行った作品。
いつもならここで、ストーリー紹介をするのだが、この作品は誰が主役というわけではなく、総勢19人の1人1人が主役であり、9個のラブ・ストーリーが同時に展開されていくため、その9個のラブ・ストーリーをそれぞれ簡単に紹介することにしたい。
秘書に恋心を抱いてしまう独身の首相。
マネージャーの献身的支持により、クリスマスソングで復活した往年のロックスター。
夫の浮気に気付いた主婦。
2年7カ月間も同僚を思い続けているOL。
学校一の人気者に恋して悩む11歳の少年。
親友の妻を思い続ける画家。
弟に恋人を取られ、南仏へ傷心旅行に出かけるミステリー作家。
童貞を捨てるためにアメリカに渡る少年。
ラブ・シーンを演じる新人俳優同士。
9つのストーリーが同時並行的に進み、上映時間2時間15分を単純に9で割ると1つのストーリーあたり、15分という短い時間でしかなく、普通に考えれば非常にわかりにくいと思うのだが、見終わった後の感想としては、それぞれのストーリーにそれぞれの結末がぴったりとマッチしていて、愛というのは白人と黒人であれ、新婚の夫婦であれ、熟年の夫婦であれ、子供の初恋であれ、芸能人であれ、そして一国の長であれ、どんな形であれ、長い愛でも、短い愛でも、1つ1つの愛が印象的なものとして心に刻まれていくものなんだと感じた。
そしてやはり英国映画ということで出てきたヒュー・グランド。英国首相という今までの彼にはない新しい配役であり、中でもアメリカ大統領に対して「英国にはハリー・ポッターやベッカムの右足がある」と発言するシーンは今までのオトボケたキャラクターの要素を残しつつ、首相としての威厳のようなものも垣間見ることができ、ますますこの俳優を好きになってしまった。
9つある中で自分が一番気に入ったストーリーは学校一の人気者に恋して悩む11歳の少年。
人間なら誰もが通るであろう初恋という難題を、時にコミカルに、そして時にシリアスに描いていて、恋する苦しみとそれが報われた時の喜びに、見る人誰もが共感するのではないだろうか?
作品中で流れる音楽も恋愛を盛り上げる大きな要素となっている。The Beatlesの「All you need is love」、Mariah Careyの「All I want for Christmas」などに載せて繰り広げられるラブ・ストーリーに、とても安らかな気持ちになった。