SAYURI/Memoirs of a Geisha
採点:★★★★★☆☆☆☆☆
2006年4月5日(飛行機)
主演:チャン・ツィー
監督:ロブ・マーシャル

春休み、日本に帰る飛行機の中でやっていた中で、見てなかった作品の中では一番面白そうだった作品。

貧しい漁村に生まれた千代は9歳の時、置屋に売られる。そこには、千代と同じ境遇のおカボという少女と、売れっ子の芸者、初桃がいた。
そんなある日、ひとり涙に暮れる千代に、一人の紳士が優しく声をかけた。会長と呼ばれるその男は、千代に涙をぬぐうハンカチと小遣いを手渡すと、連れの芸者たちと共に立ち去る。この日から、千代は心から芸者になりたいと願うようになる。芸者になれば、会長にもう一度逢えるという願いと共に・・・。
千代が15歳の時、豆葉"という芸者が、千代を芸者として育てることになり、豆葉の厳しい指導によって、千代は芸者さゆりとして花開き、そして、さゆりはついに芸者とその客として"会長さん"と再会する―――。

ストーリーはざっとこんな感じであり、現代の日本ではとても考えられない恋愛感なのだが、時代背景(戦時)と芸者の世界という設定を考えると、ありえなくもないのだろうか?などと見ていて思った。
しかし、いくら恋愛感がありだとしても、主役の千代子こと小百合を演じるチャン・ツィーだけならまだしも、そのライバル役、そして育て役のメイン3人ともが非日本人が演じているというのはありえない。しかも映画全編を通して英語で話が進むというのもありえない。ネイティブの友達に言わせれば、英語そのもの(特に発音)が変だそうで、どうせ変な発音になるなら、全編日本語で話して、英語字幕をつけるべきだったのではないだろうか?「パッション」のようにユダヤ語で話して、英語字幕をつけるという前例があるのだし・・・。
アジア以外の他の地域の配役にはシビアなハリウッド映画だが、アジア人の配役に関しては、国籍や見た目など関係なしに、やはり知名度で選んでいるとしか思えない今回の配役はどうかと思う。

それと個人的にはハリウッド映画で日本人俳優といえば、渡辺謙という一種の方程式にも飽きてきた。渡辺謙が群を抜いてダントツに演技がうまいというのなら、それも仕方ないとは思うが、実際そうかと言われるとそうではない。上手いとは思うが、ダントツか?と言われるとそうではない、という意味で・・・。個人的には真田広之か佐藤浩市あたりを使ってほしいと思う。

とはいえ、やはりチャン・ツィーは良い。これは客観的ではなく、あくまでも個人的な意見として読んでください。特に、おぉっ!と思ったのが、芸者としての修行を始めたあたりで、床に手をついて頭を下げる時の演技。これぞ、まさしく芸者(あくまでも自分のイメージだが・・・)って感じが上手く表現されてて、そこから先は何の違和感もなく(英語で会話している点を除けば・・・)、彼女の演技を見ることができた。

とはいえ、ストーリー的にはまぁまぁ良かったかなというのが正直な感想ですね。

一口コメント:
日本が舞台でありながら、非日本人が主要キャストを演じ、全編英語という、日本を舞台にしたある種のSF映画です。

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