ベガスの恋に勝つルール What Happens in Vegas |
"キャメロンvsアシュトン"の宣伝文句と2人の目のアップを載せたバスが、随分前からLA中を走り回っていたこともあって、地味に見てみたいと思っていた作品。
ニューヨークで株のトレーダーとして働くキャリア・ウーマンのジョイは"計画を立てるための計画を立てる"ほど慎重な正確の持ち主。婚約者の誕生日にサプライズ・パーティを計画していたが、多くの友人がいる前でふられてしまう。
憂さ晴らしに訪れたラスベガスで、会社をクビになったばかりのパーティ男ジャックと出会う。ホテルのミスがきっかけで、知り合った2人は酒を飲みまくって、遊びまわるが、翌朝、目が覚めると2人は結婚していた。
結婚をなかったことにしようとした2人だったが、ジャックがジョイのコインを入れたジャックポットで300万ドルの大当たり。お互いが賞金の所有権を譲ろうとせず、ニューヨークに戻り、離婚訴訟を起こそうとするが、裁判所の判決により、賞金は差し押さえられ、逆に6ヶ月の結婚生活を強いられることに・・・。
王道のラブコメです。タイトルに出てくる都市、ラスベガスで物語が進んでいくんだと思っていると、思いっきり肩透かしをくらうことになる。ベガスが出てくるのは時間にして20分くらいだろうか?
自分はベガスの景色を楽しめるラブコメと思っていたので、この時点でちょっと残念。
といっても、それだけで映画の良し悪しが決まるわけでもなく、ストーリーを楽しもうとするのだが、なんかいまいち。というのも、キャメロンの演じた役のキャラ設定が薄い。もちろんキャメロンが演じている女性という意味においては、いつものように、明るく楽しいキャラということで、安定して見ていられるのだが、この作品のジョイという役においては、ニューヨークのキャリア・ウーマン、しかも"計画を立てるための計画を立てる"のキャラ設定がまったく意味のない設定になっている。
例えば強制的に始まった結婚生活において、ジャックを陥れるためにいろいろな計画を立てるのだが、どれもいまいちで、基本的にジャックの計画の方が練られていたりする。
またせっかく手にした大きな仕事も無計画に他人に渡してしまう。実際は心に秘めた恋愛感情に悩んでいることを示すための手段なのだが、それならそれで、"計画を立てるための計画を立てる"というキャラ設定をしなければ良いのに・・・。
あくまでもこれはキャラ設定の問題であって、キャメロン演じる女性という意味においては、上述したように魅力的な女性に仕上がっていて、やはりラブコメにおける彼女は一際輝く。特に最後のパーティーでの登場シーンはジャックが改めて驚いていたように、キャメロン・ディアス、ここにあり!って感じで、彼女の持つ魅力を十分に物語っている。
一方のアシュトン演じるジャックはキャラ設定、演技共に文句なし。ラブコメといえば、身分の違う男女が、身分の違いを乗り越えて結ばれるというのが王道のストーリーだが、この作品のストーリーが王道ならば、彼の演じたキャラクター、演技も王道で、だらしない男を見事に演じている。
また2人の親友役の2人の壊れた演技も、この作品の魅力の1つかもしれない。個人的にはこの2人に笑わされた回数の方が主演の2人に笑わされた回数よりも多かったかもしれない。(それはそれで問題ではあるが・・・)
全体的に見ると、いまいち盛り上がりに欠ける作品でした。