インディペンデンス・デイ
採点:★★★★★★★★★☆
1997年1月1日(映画館)
主演:ビル・プルマン、ウィル・スミス、ジェフ・ゴールドブラム
監督:ローランド・エメリッヒ

=人類vs宇宙人=
今までに幾度となく取り上げられてきたテーマである。数多いこれら作品群の中でも最高の作品と呼べる作品がこの一本。

7月2日。
宇宙をモニターしていた衛生アンテナが奇怪な音を受信する。世界各地に巨大な宇宙船が出現し、世界中の大都市の上空に留まっていく。
その一方で、MIT卒の天才デイビットは宇宙から発信される音波に周期性があることを発見し、父親と共にワシントンへと向かう。
また休暇中のヒラー大尉は恋人と共に朝を迎えていたが、上空に浮かぶ巨大な宇宙船を見て、休暇を返上して空軍基地へと戻っていった。
デイビットはホワイトハウスに到着し、元妻を通して大統領にカウントダウンまで残りわずかであることを告げる。大統領は緊急会見を開き、全米の主要都市に避難命令を発動する。しかし、時既に遅く、ニューヨーク、ワシントン、ロサンゼルスなどの大都市が一瞬の内に壊滅してしまう。

7月3日。
空軍は宇宙船に向けてミサイル攻撃をしかけていたが、シールドで守られていた宇宙船を破壊することはできなかった。空中戦でただ一人生き残ったヒラー大尉は宇宙人を捕獲する。荒野で避難民のトレーラーと出会い、空中から見えた基地へと向かう。
一方、国防長官からエリア51という秘密基地の存在を聞かされた大統領は専用機でネバダへと飛ぶ。そこには40年以上前に墜落した宇宙船が保管され、宇宙人の死体と共に保管されていた。そこへヒラー大尉が生きた宇宙人を連れてくる。
意識を取り戻した宇宙人がテレパシーを使って大統領に攻撃してくる。部下の攻撃で射殺されたが、テレパシーによって宇宙人の地球侵略を明確に感じた大統領は迷っていた核爆弾の使用を決意する。しかし核ミサイルによる攻撃もシールドによってはじき返され失敗に終わる。
空軍基地へと戻っていたヒラー大尉は恋人を連れてエリア51に戻ってくる。しかし、重傷の大統領夫人は残りわずかの命だと判明する。

7月4日。
何も出来ずに酒におぼれていたデイビットは父親の言葉からシールドを破る方法を見つける。そして人類は人種を超えて宇宙人との戦いに向かっていく。人類の独立記念日となるように―――。

考えてしまえば、とてもアメリカ的な映画である。しかし非常に単純なSFパニックでありながら、一人の主役がいるわけではなく、複数の人物を中心に描いた人間ドラマでもある。
主なドラマは4つある。大統領とそれをとりまく人々。ヒラ―大尉と恋人。デイビットと元妻と父親。そして宇宙人にさらわれた過去を持つ酔いどれ親父とその家族。
その中でも何ともかっこいいのが大統領。湾岸戦争に参加していた元パイロットという肩書を持ちながら、当時の敵であるイラク軍と手を組んで、宇宙人と戦う勇ましい姿には惚れ惚れしてしまう。しかし妻の死に悲しむ一人の男としての一面ものぞかせる。また宇宙人との最終戦争を前に演説するシーンには心が奮えた。「今日から7月4日はアメリカ一国のみの独立記念日ではない。人類全体の独立記念日なのだ!」と、地球という一つの国と宇宙人の戦いであることを宣言する。大統領自ら戦闘機に乗り込んで、宇宙人と戦うなどありないといってしまえばそれまでなのだが、そんな非国民的な考えは持たずに単純に楽しんで欲しい。

大統領を中心とした人類vs宇宙人のSFパニック。空軍兵士と恋人、天才エンジニアと別れた妻、駄目な父親と子供達といった人間ドラマ。盛りだくさんの内容だが、どれかが足をひっぱるでもなく、逆にどれか一つでも欠けてしまうとこの作品の面白さは半減してしまう。ずば抜けた有名俳優がいるわけでもなく、いやむしろ有名俳優がいないからこそ、ありがちなキャスティングによる先入観がなく、観客として純粋にこの物語に入り込めたのではないだろうか?

SF映画としても、パニック映画としても、アクション映画としても、人間ドラマの映画としても、一級品の面白さを味わうことが出来る素晴らしい作品です。

一口コメント:
SFパニックであり、人間ドラマでもある娯楽エンターテイメントの集大成的な作品!!

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