パール・ハーバー |
「アルマゲドン」のスタッフが再び集結し、今度は真珠湾を舞台にした映画を作った。そんな宣伝文句が公開前には流されていた。他にも「風と共に去りぬ」、「タイタニック」を超える"歴史大河ドラマ"という宣伝文句もあった。日本より公開が早かったアメリカではヒットしてはいるものの、「タイタニック」を超えるにはとても及ばない。
そして日本での公開が近づくにつれて評論家たちが、映画の中に問題となるシーンが多数あると言い始め、日本公開版は一部シーンがカットされることになってしまった。自分としては、観客も映画として楽しみにきているのだから、カットする必要はないと思うのだけど、評論家たちはそれを見た観客がアメリカに対して何らかの反抗をするとでも思っているのだろうか?
ストーリーは小さい頃から戦闘機乗りになることが夢だった主人公レイフとその親友ダニー、そしてその二人から愛されるイブリンという女性の3人を中心に進んでいく。最初はレイフとイブリンが恋に落ち、2人の恋愛が中心で進んでいくが、レイフが戦争で死んでしまい、そのショックで落ちこんでいた親友ダニーと恋人イブリンが恋に落ちてしまう。しかし、レイフの戦士は誤報で彼が生きていて、戻ってくる。友情と愛情の両方が絡み合い、三者三様に悩んでいるところに日本軍の真珠湾攻撃が始まる。この爆撃シーンはものすごい迫力だが、なんか心に響いてこなかった。戦闘シーンとしては「プライベート・ライアン」の冒頭の方が心に響いてきた。
真珠湾攻撃のシーンが終わり、今度はアメリカ軍が日本に奇襲をかける。しかし、この軍隊は人数も少なく、危険なミッションであったが、レイフとダニーは志願して参加。イブリンのおなかにはダニーの子供がいるが、そのことをダニーには告げずに、見送ってしまう。そしてダニーは帰らぬ人となり、レイフとイブリンが結ばれて、ダニーの子供と一緒に空を飛ぶシーンで映画は終わる。
泣けるかと言われれば、泣けなかった。なんか先が読めてしまい、しかもその読み通りの展開が続き、この夏の話題作のもう1作「A.I.」が先の読めない展開だったため、いまいち物足りないストーリーだった。ただし、上にも書いたが、真珠湾の爆撃シーンは迫力の点から言えば、今年一番の出来だった。
ストーリー自体は全然違うけど、展開の仕方としては、「アルマゲドン」と同じような展開で、隕石が落ちる=真珠湾攻撃、ブルース・ウィルス&ベン・アフレック(父子)=ベン・アフレック&ジョシュ・ハートネット(親友)、ベン・アフレック&リブ・タイラー(恋人)=ベン・アフレック&ケイト・ベッキンセールまたはジョシュ・ハートネット&ケイト・ベッキンセール(恋人)といった物語の軸となる部分はほとんど同じような展開。物語の中心となる3人のうち、1人が死んでしまうというのはまったく同じ。しかも死ぬのは男で、生き残る男はベン・アフレック。
批判ばかりになってしまったけど、他の映画と比べれば、断然良い仕上がりと言えることは確か。ただ自分としてはもう一つの大作映画「A.I.」のほうが良かった。これはあくまで個人的な意見ですが。まして「A.I.」は好き嫌いが分かれる映画だと思うので、大衆受けするのは「パール・ハーバー」のほうだと思う。