E . T .
~20周年アニバーサリー特別版~
採点:★★★★★★★★★☆
2002年4月27日(映画館)
主演:ヘンリー・トーマス、ドリュー・バリモア、ロバート・マクノートン
監督:スティーブン・スピルバーグ

あの名作が20年ぶりにスクリーンに帰ってきた。私の尊敬するスピルバーグ監督の大ヒット作。 「タイタニック 」に抜かれるまで15年間に渡り、日本の興行収入第1位の座を守り続けた映画。世界中の誰もが知っているであろう、そのタイトルは「E.T.」。

10歳の少年エリオットはある日、地球に置いてけぼりにされてしまい、庭に迷いこんだ未知の生物、E.T.と出会う。後日、町のいたるところにチョコレートをばらまき、E.T.を誘い出し、家に呼ぶことに成功した。エリオットはE.T.と生活をともにしていくうちに、感情を共有できるようになった。E.T.がビールで酔っ払うと飲んでいないエリオットまで酔っ払ってしまう、といったように・・・。
しかしいつまでも隠し続けることはできず、兄と妹に打ち明け、子供達だけでE.T.をかくまうことになるが、慣れない地球での生活がE.T.の体を蝕んでいき、NASAの助けを借りることになるが、あえなく死んでしまう。しかしE.T.を迎えに地球に母船がやってくると生き返り、E.T.を無事母船まで運ぶために、子供達は力を合わせて、大人たちから守ろうとするが、つかまりそうになってしまう!その瞬間E.T.が自転車を宙に浮かせ、無事母船まで辿り着くことができ、いよいよ別れの瞬間がやってきた・・・。

以前ビデオでこの作品を見たときは正直、それほど泣いた記憶はなかった。しかし今回はかなり泣けた。それはいくつかの追加シーンやCG処理によるリアリティの向上によるところが大きい。
新しくE.T.がバスタブに入るシーンが追加された。これは発達したCG技術によって可能になったもので、このシーンが加わることで、エリオットとE.T.に対する感情移入がよりスムーズになったのではないかと思う。
他にもCG処理でE.T.の表情がよりリアルになった。E.T.と一緒に遊んだり、言葉を教えたり、風呂に入れたり、女装をさせたり、そういった日常の一コマ一コマの積み重ねを見て、笑ったりしていくうちにエリオットとE.T.に感情移入させられていく。このあたりの描写が素晴らしい。こうして感情移入した観客は、お世辞にも可愛いとは言えない(どちらかというと醜い)E.T.であるにもかかわらず、死んでしまう場面や最後の別れのシーンで涙を流してしまうことになる。
E.T.が覚えた数少ない単語の中で、映画の中で何度か出てくる言葉がいくつかある。"エリオット "、"E.T. "、"Be Good"、"Stay "、"Come "、"OK "、"Phone "、"Home "などがそれであるが自分の心に一番残ったのが"Ouch "(痛い!)である。何度かこの単語をいう場面はあったが、ラストの別れの場面でE.T.が自分の胸を指して"Ouch"と言うシーンはとても心に響いた。"別れが痛い"という表現がこんなにもぴったりとはまる映画はそう多くはないだろう。

=E.T.= 私にとってはExtra Tresure(格別の宝物)な作品です。

一口コメント:
"世代を超えて語り継がれる映画"とは
この作品のためにあるフレーズといっても過言ではない・・・
そんな素晴らしい作品です。

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