ハリー・ポッターと賢者の石
採点:★★★★★★★☆☆☆
2001年12月3日(映画館)
主演:ダニエル・ラドクリフ、エマ・ワトソン、ルパート・グリント
監督:クリス・コロンバス
原作:J・K・ローリング

"世界が魔法にかかる"というコピーで宣伝をしていた映画が公開された。原作は世界中でシリーズ合計1億部突破のベスト・セラー。前売り券の日本記録を更新し、米英でも記録ラッシュと、いやがうえにも期待は高まっていた。

こういった映画の場合、ほとんどの作品は原作を読まずに映画を見にいくことにしている。原作を読んでしまうと、ある程度自分の中にその映像世界を想像してしまう。そうすると、自分の描いた映像とどれだけ似ているか、または正反対に、どれたけ自分の想像を裏切っているか、ってことで判断してしまう。たとえば、原作の一部が削られていたりすると、それはマイナスにしかならない。だけど、映画を見てから原作を読んだ場合はそういうことはほとんどない。
もちろん、原作を読み、自分の映像世界を想像することに楽しみを覚える人にとっては逆効果ですが・・・。

というわけで、まだ原作を読んでいない人にはなるべく、ストーリーを知らない状態で見てほしい。そのため、かなり簡略化したストーリー説明にとどめておきます。
親も友人もいない主人公、ハリー・ポッターの11歳の誕生日に手紙が届き、ホグワーツ魔法学校に入学することになる。そこで3人の友人と一緒に魔法の習得に励む。このあたりのストーリー展開とCG映像は素晴らしく、ググッと物語に引き込まれていく。
ハリー・ポッターはある事件がきっかけで、入学前から有名人だった。魔法世界のスポーツでも大活躍をし、非魔法世界の自分とは全く逆の状況を体験する。このスポーツの試合の映像は本当に素晴らしい。CGのすごさを実感する。CGを使えば、どんな映像でも実現可能だと思える、そんな映像です。
その後、3人で悪者と対決をする。これはあまりにも簡単な説明だが、ここがこの物語の中心なので、実際に映画を見て楽しんでください。

この映画を見て、久々に童心に返った。人間なら誰もが描くであろう"魔法を使えたら・・・"という願望。誰もが持っている願いだからこそ、性別・年齢に関係なく、多くの人が共感できるのだろうし、世界中で多くの人に読まれているのだろう。その映画化ということだが、多くの映画が原作とは違ったアプローチをしたり、結末を変えたりしているのとは異なり、この映画は原作を忠実に再現しているらしい。(原作は読んでいないので、詳しいことは知らないけど、原作と映画を見た友人はそう言っていた。)自分も映画を見て、原作を読みたいと思ったし、恐らくこの映画を見て、つまらないという人はいないだろうから、大ヒットすることは間違いないだろう。

そしてこの映画で一番素晴らしいと思ったのが、キャスティング。主役のハリー・ポッターはもちろん、その友人2人、そしてハリーのライバル役の新入生も素晴らしい配役だと思った。それぞれ、映画の中で演じる役の性格が顔に出ていて、本当にぴったりの子役達ばかり。これほど、素晴らしいキャスティングの映画は今までに、片手で数えられるほどしかない。

ファンタジーの原点は非現実の具現化。そういう観点で見れば、もう1つのコピー、"史上最強のファンタジー"。このコピーはまさしく、この映画のためのコピーだと言える。
そして、映画の世界に入り込むことのできる人にとっては、かなり面白い作品だと思います。そして入る込むことのできない人にとっても、まぁそこそこ面白い作品だと思います。
この映画を楽しみたい人は、予備知識は何もない状態で、映画の世界に入り込むように心がけて見てください。
そうすることで、"魔法にかかる"ことができると思います。

一口コメント:
"史上最強のファンタジー"、その名に恥じない作品です。

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