2002年6月27日(木) 「夢舞台〜黄金ゴールデンカード実現〜」


W杯も残すところ29日の3位決定戦、そして30日の決勝戦を残すのみとなりました。準決勝の 結果、3位決定戦は韓国とトルコといった今大会旋風を巻き起こした、そして21世紀のサッカー界の 勢力地図を塗り替えた両チームの戦いになります。
日本戦ではいまひとつだったトルコですが、セネガル、そして準決勝のブラジルと試合を重ねるごとに 試合内容が良くなってきました。調子の上がらなかったエース、ハカンシュキルですが、ブラジル戦で 見せた背面ボレーは世界のトップレベルのプレーヤーであることを証明したプレーでした。相棒 ハサンも幾度となくブラジル陣内に切れ込み、存在を示しました。そして今シーズン、ヨーロッパ・ チャンピョンズ・リーグ決勝に進出したレバークーゼンに所属し、トルコの"10番"を背負う バシュトゥルク。その番号にふさわしい活躍でゲームを作っていました。
そして韓国。ヨーロッパの強国を3度撃破し、迎えたドイツ戦。真っ赤に染まったスタンド、そして 国中を真っ赤に染めたレッド・デビル。その数は700万人とも言われ、国民が5000万人に 満たないことを考えると10人に1人以上の割合で街頭で試合を観戦したことになる。そんな サポーターの後押しにも関わらず、世界一の守護神カーンの前に敗れ去りました。
3位決定戦は21世紀のサッカー地図を塗り替えていくであろうと思われる"ダイヤの原石"同士の 戦いになります。試合の結果はもちろん、どれだけのレッド・デビルが出現するのかも非常に 楽しみです。(私もその1人になることですし・・・)

そして20世紀のサッカー地図の上で輝き続けた"ダイヤ"同士、"黄金カード"がついに実現しました。 前回のコラムでも書いた通りですが、W杯優勝3回、準優勝3回、3位2回の歴史を持つヨーロッパの サッカー大国ドイツと、優勝4回、準優勝2回、3位2回の歴史を持つブラジル。この2つの"ダイヤ" が21世紀最初のW杯、そして21世紀最初の世界一決定戦で合間見えることになりました。多くの 評論家はブラジル有利の声をあげています。確かに現在スコアリーダーのロナウド、魔法の左足を持つ リバウド、イングランドの夢を打ち砕いたロナウジーニョの"3R"の攻撃は今大会No.1でしょう。 しかし、ドイツの絶対的守護神、いや世界最強の壁カーンがいれば、ドイツのゴールネットが揺れる シーンを想像することはできません。韓国戦で見せたコーナーキックを前に飛び出してから後ろに はじいたプレーには度肝を抜かれました。あんなゴール・キーピングは生まれて初めて見ました。もし カーンの活躍で0対0のまま、PK戦になってもブラジルのPKを5本すべて止めてしまいそうな 雰囲気が漂っているように見えるのは私の錯覚でしょうか?
しかしブラジルの攻撃を0点に押さえることができれば、"史上初"の多かった今大会の締めくくりは、 W杯史上初のゴール・キーパーのMVP獲得ということになるかと思います。

私としてはドイツに勝ってもらって次の2006年大会の決勝で両チームが共に5度目の優勝を かけて戦う姿を見たいと思っています。

何はともあれ、21世紀最初の、そしてアジアで最初のW杯、波乱・ドラマの多かったW杯ですが、 最後の最後に"ダイヤ"同士の黄金カードという最高のドラマを用意してくれました。
"3R"vs"世界一の守護神"
みなさんも楽しんでください。
Enjoy! Football!!

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