2003年10月9日(木)
「カリフォルニア州知事に期待すること」



皆さんはアメリカ、カリフォルニア州がどこにあるのかご存知ですか?アメリカの地図を頭に思い 浮かべてください。その地図の西海岸の南側半分がカリフォルニア州だと思っていただいて結構です。 ロサンゼルス、サンフランシスコといった日本でもお馴染みの都市もこの州にあります。ちなみに アメリカ産ワインの90%以上がカリフォルニア州で作られています。(中でもサンフランシスコ郊外の ナパ・バレーは有名です)

昨日、そのカリフォルニア州知事にハリウッド俳優アーノルド・シュワルツェネッガーが当選しました。 知事としての活動期間である4年間(途中リコールがなければ・・・)にどのような政治を 行うのでしょうか?
彼のことを知っているわけでもなければ、アメリカの政治機構について詳しく知っているわけでも ないので、彼の政治的手腕がどうこうという議論をするつもりはありませんし、また選挙活動中、 政策について触れなかったそうなので、どのような政策を行うのか議論しようにもできません。しかし 彼の資金力に関しては議論の余地はありません。
「ターミネーター3」の出演料がハリウッド史上最高額の3000万ドル($1=¥100としても30億円!!)で したし、他にも興行成績に応じて興行収入の○%といった契約料、グッズ売上、DVD売上、 TV放映料などのマージンも収入として入ってきます。選挙活動の際にはこの資金力を売りに「私は 大金を持っているから、政治献金などの不正は絶対にしない。」と公約していたそうですから・・・。

そんなハリウッド出身の彼に対して、個人的に期待するのはハリウッドと政治の結び付けです。
例えば、郊外から都心へのアクセスを快適にするために高速道路を建設する計画があるとします。 普通は日本の国土交通省のようなところが主導で動くわけですが、仮に高速道路を舞台にした映画 製作の話があったとすれば、建設費の一部を映画会社が負担する代わりに、自由に撮影を行えるように するといったことも可能なわけです。(映画「マトリックス〜リローデット〜」では撮影用に全長3kmの 高速道路を建設したこともありますから・・・)
今までは、まず高速道路があって、それを映画撮影に使用する(建設途中の高速道路を撮影に利用した 「スピード」という映画もありました)という発想だったものが、映画を撮影するために高速道路を 建設するという図式に変わるわけです。

高速道路建設にいくらかかるか知っているわけではありませんが、いまや大作映画ともなれば、制作費 200億円を超す作品もあるような時代です。そのうちの1割を建設費としても、20億円もの大金が高速 道路の建設費に回るわけです。
高速道路はあくまでも例であり、公共の建物(市役所や警察署など)、公共の乗物(バスや地下鉄など)、 何でもいいわけです。(ちなみに10億円あれば、日本国内で小学校を建設することができます)

映画会社からすれば、建設費の一部を負担することで、ロケハンの手間がなくなり、更に自分たちの 使いたい舞台を自由に使うことができるようになるわけです。
一方、政府としては建設費が軽減されるだけでなく、映画の撮影場所としての知名度から観光客が増え、 観光収入(公共施設への入場料だけでなく、ホテル代、食事代や交通費などに含まれる税金など)が 増加することもありうるわけです。
要するに政治目的(公共の利便性向上)とハリウッドの目的(撮影舞台の確保)が一致すれば、お互いに 得をするというわけです。日本で言うならば、公的機関ではありませんが、フジテレビ(映画 「踊る大捜査線」の親会社)とお台場のような関係が理想的な例と言えます。

どうような政策をとるのであれ、映画の都ハリウッドを含むカリフォルニア州におけるハリウッド 出身の州知事ならではの政治というものを期待したいと思います。

See Ya!!

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