ドラゴン・キングダム
The Forbidden Kingdom
採点:★★★★★★★★☆☆
2008年4月19日(映画館)
主演:ジャッキー・チェン、ジェット・リー
監督:ロブ・ミンコフ

ちょうど1年前くらいだろうか?ジャッキー・チェンとジェット・リーが共演するハリウッド映画が作られたと聞いたのは・・・。本当かよ!?と疑ったが、本当だった!!

マーシャル・アーツとカンフー映画が好きなアメリカ人ジェイソンは、チャイナタウンのアンティーク・ショップで見つけた如意棒によって、古代中国へとタイム・スリップしてしまう。
そこで酔拳の使い手であるルーに出会い、途中で琵琶奏者のゴールデン・スパロウ、一度は如意棒を奪われたサイレント・モンクを仲間に加え、悪の将軍に石にされてしまった、如意棒の本来の持ち主であるモンキー・キングを救出しに行くことになる―――。

圧巻である。
何が圧巻って、そりゃもう、二人の対決シーンに決まっています!
本当、すごいです。二人が同じスクリーンの上で、戦っているんです。
二人の戦いのスピードが速すぎて、「カメラでは追えないから、もっとゆっくり戦ってくれ」とカメラマンから言われたとか、"編集の段階でスピードを落とした"とか言われるくらいのスピードだったらしい。この真偽はさておき、ただ戦うだけではなく、ジャッキーの「酔拳」も入っていて、しかも蛇、鶴、蟷螂、虎など他にも様々な型を二人が繰り出すのが、もうジャッキー世代の自分としては、興奮を通り越して圧巻なのである。

あまりジャッキーに詳しくない人にわかりやすく言うならば、自分が好きな歌手が出した最新アルバムの中に、自分の好きなその歌手の昔のヒット曲が入っているようなものである。本当にすさまじい戦いが繰り広げられるのだ。
昔のジャッキーが好きな人、特に「酔拳」が好きな人にはたまらない戦いだろう。ファンにとって、"至福"とはまさにこの戦いのことである。

そして女優の2人もかなり綺麗。
まずは敵役の白髪の女性。彼女は誰が見ても美人だと思う、万人受けする顔の持ち主ではないだろうか?髪の毛を自在に操れることを端的に示すために、彼女の髪の色だけ白にしたのだろうが、そこは黒でも良かったんじゃないのか?という思いもある。
そしてジャッキーの味方となる琵琶奏者は美人は美人なのだが、超美人ってわけではない。それでもなぜか魅かれてしまう。多分、人によっては意見が分かれるタイプである。でもスクリーンで映える女優の典型だろうか?

ストーリーそのものは西遊記をベースに、ところどころにいろいろな映画の要素を取り込んでいる。まずは壁一面にポスターが貼られた主人公の部屋。もちろんポスターの中に映っているのはカンフー映画のお約束、ブルース・リーである。
そして過去のジャッキー映画の要素が各所に散りばめられ、クライマックスは「ロード・オブ・ザ・リング」。そしてラスト・シーンは「ベスト・キッド」へのオマージュ。
といった感じで、思っていた以上に楽しめる。

それと特殊メイクも結構すごい。
実はジャッキー・チェン、ジェット・リーともに、ルー、モンク以外にも、最後の最後までわからなかったもう1人の役柄を演じている。ストーリーを追っていって、最後にそれぞれがある台詞を言ったことで初めて、注意を向けて、よく見てそれとわかるように、微妙に似ている?くらいに特殊メイクをしているのだ。

そしてこれは間違いなくカンフー映画にコメディー要素を取り入れたジャッキーの影響だろうが、普段は見られないジェット・リーが見れるのもまた楽しい。物語の前半は名前の通り、無口な僧侶(サイレント・モンク)を演じているのだが、途中からは基本的に笑っているのだ。あのジェット・リーが絶えず笑っている映画がかつてあっただろうか?
しかも物語中盤で、ジャッキーがあるものを浴びるシーンなんて、今までのジェット・リーなら絶対にない!館内大爆笑でしたしね。

そしてこの作品も今までのジャッキー映画の例に漏れず、鑑賞後、自分が強くなった錯覚を覚えさせてくれ、無性に体を動かしたい衝動に駆られました。

一口コメント:
ジャッキー・ファンにとっては、ある種ヒット曲満載のベスト・アルバムのような"至福"の映画です。

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