80 デ イ ズ |
ディズニーとジャッキー・チェンが手を組んで、ジュール・ベルヌの名作を映画化した作品。
19世紀末、英国ロンドンのイングランド銀行に泥棒ラウ・シンが侵入。彼は追いかけてくる警官たちから逃れ、発明家フィリアス・フォッグの屋敷に転がり込み、発明品の被験者として仕えることになる。そのフォッグは、ひょんなことから王立科学アカデミー長官と80日で世界一周できるかどうかの賭けをしてしまう。ラウ・シンは、故郷の村から盗まれた仏像を取り戻し、中国へ戻ろうとしていたため、フォッグの旅のお供をすることに・・・。こうして二人の旅は始まった。
最初に訪れたフランス、パリでもう一人旅の仲間として、画家志望のフランス人女性を迎え入れ、途中ラウ・シンを追う邪魔が入るものの、イスタンブール、インド、中国、アメリカと旅を続け、ニューヨークにたどり着く。しかし3人は80日でイギリスに戻るために乗船必須の船をあと一歩のところで逃してしまう―――。
この作品の見所は、脇役です。というのは世界各国のトップスターがこれでもか!というくらいに多数集結しているからです。
カリフォルニア州知事就任前の最後の映画出演作となったアーノルド・シュワルツェネッガーだったり、「ムーラン・ルージュ」「アイリス」のジム・ブロードベントと、「ミザリー」「タイタニック」のキャシー・ベイツ。アカデミー賞俳優同士の共演が見れるのもこの作品の一つの見所といっても良い。他にも「トレインスポッティング」のユエン・ブレムナー、「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」のオーウェン&ルーク・ウィルソン兄弟、さらに「少林サッカー」のカレン・モクと「香港国際警察」のダニエル・ウー、そしてジャッキー・ファンにはなんとも懐かしいサモ・ハン・キンポーが出演し、さらに格闘シーンが盛り込まれているのがこの作品の一番の見所かもしれない。
ストーリー的にはジュール・ベルヌの原作は"80日間で世界を一周する"という設定以外、まったく原型を留めていない。まぁ、そもそもジャッキー・チェンが主演という時点で、それはわかってはいることなのだが・・・。ディズニー製作の「80日間世界一周」という古典名作映画になぜジャッキーが主演なんだ?と思う人も多いでしょうが、はっきり言って、ジャッキー映画です。旅先が変わるごとに追手との格闘シーンが繰り返される。一言で言ってしまえば、それだけの映画です。
しかも旅先と旅先の間の移動シーンがなく、一つの作品としての流れが非常に悪い。一つ一つのシーンは悪くないのだが、つながりが悪いため、全体としての印象も悪くなってしまう。しかも制作費120億円というかなり大規模な映画であるにも関わらず、ところどころに映像的なラフさ(手抜きともいえるか?)が目立ち、これだけの制作費をかけておいて、何だこの映像は?という感想を持ってしまうかもしれない。
まとめると、ジャッキー・チェンがディズニーの金を利用して、自分の友達を大勢出演させて、やりたいことをやりたい放題やった映画ということです。