J S A
採点:★★★★★★★★★☆
2001年6月2日(映画館)
主演:ソン・ガンホ、イ・ビョンホン、イ・ヨンエ
監督:パク・チャヌク

韓国映画です。1999年に公開された、同じく韓国映画「シュリ」と何かと比較されがちなこの作品。何故それほどまでに比較されるのかというと、まず、同じ朝鮮半島の南北問題を扱っているということ。そして韓国において歴代興行収入一位だった、作品を抜いた歴史に残る作品であること。この2点が挙げられる。後者はつまり「シュリ」が「タイタニック」を抜き、そして「JSA」がその「シュリ」を抜いたということである。

確かにどちらの作品も同じ南北問題を扱っているが、その扱い方が大きく異なる。「シュリ」はアクションとラブストーリーを混ぜ合わせた映画で、ある程度、娯楽性を持たせた映画であることはわかると思う。一方、「JSA」は派手なアクションや男女の恋愛模様はまったくといっていいほどない。あるのは国境を越えた男の友情と、その友情を引き裂こうとする南北問題である。徴兵制度のない日本に生まれた自分としては、同じ民族でありながら、国が違うからという理由だけで、一触即発の状態にいる朝鮮人兵士の気持ちの深い部分はわかるはずもない。

が、ただこの映画の中で、友情を育てていくシーンにはかなりの共感を覚えた。国境警備をしながら、深夜に国境を越えて、本来なら同じ民族であり、同じ朝鮮人同士が互いの国のことについて語り合う。やはり男同士の会話というのは全世界共通なのか、ここではお互いの彼女の話をしたり、その写真を見せ合ったり、そんな感じで友情を育んでいくという、ささいなシーンの連続ではあるが、とても印象深いシーンでもある。中でも一番印象に残っているのが、「チョコパイ」。韓国の兵隊が、北朝鮮人へのプレゼントとして持ってきたもの。このチョコパイが北と南の格差をとても顕著に表していた。そして問題の事件当日が訪れる。事件当日は侵攻が始まり、最後の会談のはずだったが・・・(まだ見てない人のために、ここの謎は書けません)。そしてラストシーン、何もそこまでしなくてもいいのに(ここも書けません)、せっかくでき始めた友情が、南北問題という朝鮮人とは切り離せない問題によって切り裂かれてしまった。

一口コメント:
かなりアツイ映画です。男の友情ものが好きな人は必見です!!

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