ボ イ ス |
コリアン・ホラーの史上最高作品、韓国版「リング」との呼び声もある作品。
ジャーナリストのジウォンは援助交際に関する記事が原因でいたずら電話に悩まされていた。彼女の親友であるホジュンは自分の別宅を提供し、携帯番号を変えるように勧める。
ジウォンは携帯を変えに電話会社に行くが、コンピュータの画面にこの番号しか表示されず、これも何かの縁だからということで、その番号にする。ある日誰も知らないはずの携帯がなった。そばに居たホジュンの娘、ヨンジュが電話に出る。すると彼女の様子が豹変し、絶叫するヨンジュの手から携帯をもぎ取ったジウォンは受話器から聞こえた無気味なノイズを聞く。
その日を境にヨンジュの行動がおかしくなった。悪魔のような顔でとても子供とは思えないような言葉を吐くようになり、ホジュンの夫に対して異常な愛情を抱くようになる。
携帯の調査を始めたジウォンは以前この番号を使用していた人たちが変死していた事実を突き止める。その後更に調査を進めていくうちにジニーという少女が浮かび上がってきた。ジニーのことを調べているとジウォンは信じられない事実に直面してしまう。真実を知ってしまったジウォンはホジュンの夫の元へと急ぐ。
舞台はホジュンの別宅へと移り、ジウォン、ホジュン、そして鍵を握る人物そろい、映画はクライマックスへと向かっていく―――。
携帯をいう身近な存在が恐怖の源になるという設定が「リング」のビデオという存在を携帯に変えただけという気がしてしまって仕方がない。またガラスに映る幽霊や恐怖でハッとした瞬間、夢だったという脅かし方も(それはそれで十分に怖いのだが・・・)、今までに散々使われてきた手法で新鮮味という意味ではいまいちだった。
とはいえ、怖くないかといえばそうでもない。新鮮味には欠けるが典型的な脅かし方は十分に効果的だったし、キャスティングもなかなか良かった。最初は何でこんなに不細工な子が出演しているんだろうと思っていたヨンジュ役の女の子も途中から顔で恐怖を演出するには最適な顔だと思わず納得してしまったし、ジニー役の女の子は逆にこんな可愛い子が恐怖の原因(「リング」でいう"貞子"の役どころ)を演じるのかと思っていたら、暗闇に浮かぶ表情が結構怖くて、見終わった時にはなかなかのはまり役だったなと思ってしまうほどだった。
ストーリー的には「リング」に比べるとそれほどの新鮮味があるわけでもなく、日本のホラー映画のような後を引く怖さもなく、いまいちだったが、キャスティング、いや俳優の顔という意味ではリング以上の怖さが出ていたのではないだろうか?