ナイト・ミュージアム |
アメリカで3週連続1位を獲得していたこともあって、日本行きの飛行機の中の上映作品の中で一番期待の持てた作品である。
ニューヨークに住むバツイチ・失業中のラリー。息子のニッキーにも愛想を尽かされてしまっていた。そこで新しい職探しを始めた彼は、自然史博物館での夜警の仕事を見つける。
現職の3人の老警備員から仕事を引き継ぎ、夜の博物館で勤務初日を迎える。ところが見回りを始めたラリーは、なんとティラノサウルスの全身骨格がウォーター・クーラーから水を飲んでいる姿を見つける。
しかも、モアイ像や原始人、動物たちなど、博物館の展示物が次々と生き返り、勝手気ままに動き出していたのだった―――。
キャラクター設定的には、まぁよくある設定(離婚しているダメオヤジと息子の関係の修復)なのだが、ストーリーがなかなか面白い。
博物館に展示されている展示物が夜中になると動き出し、朝になると元に戻るのだ。展示物というと、恐竜の化石、ライオンの剥製、蝋人形のルーズベルト大統領、などなど・・・。
古代の生物が動き出すという点では「ジュマンジ」を思い出させるし、博物館という大きな家を盗賊から守るという意味では「ホーム・アローン」を彷彿とさせる。さらに1つの画面の中で、時代の異なる歴史上の人物たちが共存しているというアイデアも面白いし、映像的にも面白かった。
ただし、突っ込みどころがないわけでもない。一番大きな欠点は、毎日破壊されたものが翌日には直っている点。しかも全部が全部直っているわけではなく、一部は壊れたままになっているというのが、この欠点を余計に露呈させている。
直すなら、全部直すべきだし、直らないなら、全部直らない。こうすることで、SFだからという割り切りができるのだが、変にリアリティーを追求したのかどうかはわからないが、一部だけを直さないという設定はいただけない。
もう1つ大きな欠点。主人公が動き出した動物たちを閉じ込めるのに苦労しているわけだが、動き出す前に鍵を掛けてしまえば、何の問題もないのに、それをしないという点。例えば、閉館時間から、動き出すまで時間がないといった説明が1つでもあれば、それで全て解決するのだが、それがない。
とはいえ、全体的に見るとよくできた作品です。