スター・ウォーズ
-エピソード3・シスの復讐-
採点:★★★★★★★☆☆☆
2005年5月24日(映画館)
主演:ユアン・マクレガー、ナタリー・ポートマン、ヘイデン・クリステンセン
監督:ジョージ・ルーカス

「スター・ウォーズ」新三部作の第3弾、かつ映画として制作されるであろうスター・ウォーズ最終作でもある。

捕らえられた元老議員のパルパディーンを救出に向かったアナキンとオビワン、二人のジェダイ。無事議員を救出した二人だったが、救出したパルパディーン(実はシスの統帥)の巧みな話術にのり、暗黒面であるダークサイドへと落ちていくアナキン。
エピソード2で恋に落ちたパドメはアナキンの子供を妊娠したものの、少しずつ変わっていくアナキンに不安を覚える。
そしてパルパディーンの指示でジェダイの抹殺が開始される。生き残ったのはヨーダとオビワンの二人のみ。そして、ヨーダはパルパディーンを、そしてオビワンは自分の弟子であるアナキンとの最終対決へと挑む・・・。

全編を通して、スター・ウォーズらしい演出が施されている。まずはオープニング。今まで通りに、STAR WARSのロゴの後に下から上へとスクロールしていく序文で始まる。そして場面転換にはこれでもかというくらいにいろんなエフェクトを使っている(今回はそれが多すぎる気がしないでもなかったが・・・、これはおそらく自分も映画を作るようになったからだろう)。

オープニングのシーンはカメラワークの良さに驚いた。主人公二人が乗る小型飛行機のような乗物が宇宙空間を進むにつれてカメラもそれを追跡し、一端追い越したところで飛行機が方向転換するまでのおそらく1分にも満たないシーンなのだが、スター・ウォーズ(直訳すると"惑星戦争"か?)の世界観に引き込むにはこれ以上ないくらいのオープニングに思われた。

そしてスター・ウォーズといえば、ライト・セーバーなのだが、今回は主に4つの戦いがある。まずはパルパディーン救出時のアナキン&オビワンvsドゥークー。続いて、グリーバス将軍vsオビワン。そして最後がヨーダvsパルパディーンとアナキンvsオビワンの二つの戦いが並行して行われる。
まず最初の戦いだが、ジェダイ3人の戦いなのだが、三つ巴ではなく、2対1の戦いとなっている。この戦いを見る限りでは、師匠であるオビワンよりも弟子であるはずのアナキンの方がかなり強く見える。
続いて、オビワンvsグリーバス将軍。グリーバス将軍が4本の腕にそれぞれライトセーバーを持って戦う様は見ていて面白い。とてつもない速さで回転する4つのライトセーバーにかなりの期待をしてしまったのだが、期待したほどのこともなく、あっけなくオビワンがグリーバスの戦闘力を上回ってしまい、戦闘はあっけなく終わってしまう。この戦いはもっと長く描いてほしいと思った。
次にヨーダvsパルパディーン。戦闘場所である壁一面が議員の席で埋まっているあの会議室(室と呼ぶには大きすぎる!)での戦いなのだが、肝心のところで、ヨーダがライトセーバーを落としてしまい、この戦いも物足りないまま、痛みわけで終わってしまう。
そして最後の最後。アナキンvsオビワンの師弟対決。戦いの舞台は溶岩が渦巻く惑星。最初の戦い(ドゥークーとの2対1の対決)が嘘のようにオビワンの戦闘力が上がっている。この二人の対決シーンは満足のいく戦いだった。バックが溶岩というのが、「ロード・オブ・ザ・リング」の最後をよぎらせたりもしつつ、たた単純に映像としてかっこいい!!童心に戻ってこの二人のジェダイの対決を見ていた。

そして二人の対決に決着がつき、エピソード4につながるエンディングになるのだが、ここについては触れないほうが良いと思うので、直接劇場で確かめてください。

さて、アナキンがダースベーダーになる過程を描く本作。正義を重んじるはずのジェダイが何故ダークサイドに落ちていくのか?というところが一番重要なのだが、正直そこの部分が薄かった気がする。というのも、アナキンがダークサイドに落ちる最大の理由は最愛のパドメを救うため、ということなのだが、ダークサイドに落ちなければ、パドメを救えないという理由が描かれていないのだ。
ルーカスがこの作品は泣けると言ったらしいのだが、それはおそらく、アナキンとオビワンの師弟対決、そしてアナキンとパドメの悲恋、この二つの要素によると思うのだが、上述の理由のため、アナキンとパドメの恋愛についてはそこまで感情移入できなかった。もう一つの要素である師弟対決に関しては、弟子を思いやる師匠、そして悪に落ちたとはいえ、かつての師匠を思いやる弟子、というのが、わかりやすく描かれていたと思う。(わかりやすすぎて、チープな感じがしないでもないが・・・)

これで映画としては完結。エピソード4があるという前提で考えれば、この作品のレベルは高いと思うが、映画史に名を残すシリーズの最終章としては少し物足りない気もする。とりあえず、日本に帰ったらもう一度シリーズを復習した上で、もう一度見てみたいとは思うが・・・。

一口コメント:
映画史に名を残す作品の最終章としては可もなく、不可もない。

戻る