閉ざされた森
採点:★★★★★★☆☆☆☆
2003年9月20日(映画館)
主演:ジョン・トラボルタ、コニー・ニールセン、サミュエル・L・ジャクソン
監督:ジョン・マクティアナン

予告編を見るまでまったく知らなかった映画だったが、予告編を見て、非常に面白そうだなと思い、映画館に足を運んだ作品。

パナマで訓練中の米レンジャー部隊が嵐の森で行方を絶った。数時間後、二人が救助される。一人は重傷、一人は尋問に対して黙秘を続けている。訓練を率いたウエスト軍曹を含め、四人の行方が不明の状況で、尋問を担当していたオズボーンの上官は非公式に麻薬取締局捜査官ハーディを呼んだ。
ハーディは元レンジャー隊員で麻薬組織に買収された容疑を受け、謹慎中の身である。上官がそんな彼を呼び寄せた理由は、二つ。尋問のスペシャリストとしての手腕、そして過去にウエストの訓練を受けた経験。
オズボーンは部外者であるハーディに不快感を露にしながらも、現状を説明し、彼の方法に従って、生還した二人の尋問を開始した。
尋問を通じてウエスト軍曹に対する兵士たちの憎しみ、ウエスト軍曹の謎の死、そしてそれに対する兵士たちの動きが明らかになっていくが、肝心な部分で二人の証言は矛盾。共通しているのは"8"というキーワード―――。

見ている間中ずっと、どっかで見たことのある展開だなと思っていたが、映画館を出て、しばらくしてから気付いた。韓国映画の「JSA」という作品。南北朝鮮の兵士の偽証を中立国スイスから来た捜査官が暴いていくというストーリー。この作品もレンジャー部隊の偽証を異なる組織から来た捜査官(外から来たという意味では「JSA」と同じ)が暴いていくという展開。
さらに謎が全て解けて、これで解決かと思った最後の最後に一番大きな仕掛けが施されていて、「やれれた!」と思わされる。言うなれば「シックス・センス」のようなひっかけ。素直に騙されてしまうのだが、見終わった後に胸にもやもやしたものが残ってしまった。それは恐らくストーリーが複雑すぎて全ての謎が解けたはずなのに、自分の中では幾つかの疑問点が残ってしまったからだと思う。理解できない自分が悪いと言ってしまえばそれまでだが、今まで見てきた作品と比較してみても、やはり謎が謎のまま終わっている部分があると思う。

例えば最後の"8"の集まりで集まれずに実際に死んだ人間がいるが、実際に死んだ人間と偽証で死んだ人間との差は何だったのか?つまり"8"の集まりに参加した人間とそうでない人間との差、境界線は何だったのか?という点。
サスペンス映画である以上、作品中で全ての謎が解決しなければいけないし、矛盾点があってはいけないというのが自分の信条なのだが、この作品はその点において、十分ではない。これがサスペンス映画でなく、SFやアクションなどの娯楽大作であれば、多少の矛盾点があっても許せるのだが(見せ場が謎解きではなく、他にあるから)、謎解きが見せ場であるはずのサスペンス映画で謎が残るのはいかがなものかと思ってしまうわけです。

とはいえ、最後の仕掛けには感心してしまいました。上述した謎が残らなければ、かなり完成度の高い作品になっていただけに残念です。

一口コメント:
謎解き映画なのに謎が残ってしまい、少し不満が残る作品です。

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