スクリーム4/Scream 4
採点:★★★★★★☆☆☆☆
2011年4月17日(映画館)
主演:ネーブ・キャンベル、デヴィッド・アークエット
監督:ウェス・クレイヴン

1990年代に世界中で一大ブームとなったホラー・サスペンスの傑作3部作の続編。

ウッズボロー連続殺人事件から15周年の当日、2人の人間が殺害された。翌日、自著のプロモーションで、シドニーが10年ぶりに故郷ウッズボローに戻ってきた。おばのケイトといとこのジルと事件が解決するまでウッズボローに留まることになったシドニー。事件は続き、ジルの友人が次々と殺されていく。そして15年前の事件でアナウンサーだったゲイルにもその毒牙が及んでいく。
そしてジルの友人カービィ宅で行われたパーティー会場にも殺人犯が現れる―――。

いやー、懐かしいです、この感覚。当時ジェットコースター・ホラーなんて呼ばれていたように次々に人が死んでいく。1つの殺人が終わって、誰が何のために?なんてことを考えようと思ったところで次の殺人が起こる。
そして本来、怖いはずの映画に軽快なギャグを盛り込んで、"怖さ"と"笑い"にメリハリをつけて、ジェットコースターの起伏をしっかりさせ、テンポの良さにつなげている点は、相変わらず素晴らしいです。個人的には「One generation's tragedy is the next one's joke.(ある世代の悲劇は次の世代ではジョークになる)」という台詞に笑わせてもらうと同時に10年以上の月日の流れを感じさせてもらいました。

そして過去の3部作でおなじみとなっている映画オタクの語るホラー映画のルールに沿った(たまに裏切った)進行も懐かしい。今回はリメイク映画のお決まりのルールがあるのも面白いし、"ゲイは死なない"というルールもパート3から10年以上経ったのだということを感じさせてくれる。
またパート2から登場したゲイルが書いた本の映画化作品という設定の「STAB」も7作目まで制作されており、こうしたところからもシリーズの時間の流れを感じることができるし、シリーズならではの楽しみも味わえた。
その一方で、新しいファンを取り込むために、時代の新しい流れを取り込んでいる点も素晴らしい。犯人が殺害現場を撮影し、インターネット上で動画を公開するあたりはその典型例。

ただし全体を通して見た場合、旧3部作を見ていないと細かい部分でいろいろとわかりにくい部分が多い。この作品がはじめての「スクリーム」の場合、もっとも重要な犯人の動機が理解しづらいはずだし、ゲイルがなぜそこまで事件に深く入り込もうとするのか?そしてそれを止めようとするデューイの心理など、過去に同様の事件を経験している2人だからこその感情というのが、この作品だけでは十分に伝えられていない。
というわけで、この作品を見る前に旧3部作を見ることをお勧めする。少なくともパート1を見ておくだけでも面白さが5割増しすること請け合いです。

パート1がジェットコースター・ホラーという新しいジャンルを築き、10年後もある種の伝説の作品となっているように、この作品が伝説の作品になるとは思えないが、それでも懐かしさと同時に新鮮さも味わうことができる作品になっている。

一口コメント:
パート3から10年以上の年月が経っているにも関わらず、あの頃と同じテンポで、"怖さ"と"笑い"を楽しみ、それと同時に新鮮さも楽しむことができる作品です。

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