2002年5月28日(火) 「サポーターの"盛り上がり方"」
今回は予定を変更して、先日見てきたイングランドvsカメルーン戦の観戦記とW杯を迎える神戸に
ついて書いていきたいと思います。
スタンドはイングランド代表のユニフォームを着た人ばかりで、カメルーン代表の応援団は
ほんの一部で、会場の9割以上はイングランドびいきだったと思います。イングランド代表の
キャンプ地が近くにあるのだから当然と言えば当然なんですが・・・。
キックオフが15時ということで両チームとも14時15分くらいから練習をはじめました。
来日が遅れ、中津江村を日本一有名にしたカメルーン代表だったので、試合にも遅れてくるのかと
思いましたが、今回はそんなことはなく、練習をはじめました。一方、イングランドはベッカムが
チームとは別ではありましたが、ボールを蹴る練習もこなし、ひょっとして今日の試合に出るのか?と
思わせる雰囲気はあったが、結局ベンチに座ったっきりでした。
いよいよキックオフ。試合開始から試合を優勢に進めたのはカメルーンでした。サイド・チェンジを
効果的に使い、イングランドのDF陣を左右に振りながら、ゴールを狙っていきました。そして
ゴールを先に割ったのもカメルーンでした。右からのクロスをFWがシュートし、そのシュートが
ポストに当たり、跳ね返ったボールをつめていた選手がゴールに蹴りこみました。その後も試合は
カメルーンが主導権を握りました。その中心にいたのが、17番のフォイです。中盤からサイドへ、
時には決定的なスルー・パスをゴール前に送り、今大会で注目を浴びることになりそうな雰囲気、
そして技術を持った選手でした。
イングランドも前半途中から盛り返し、細かなパスをつないで同点に追いつきました。そして
オーウェンが逆転ゴールを決めた!と思いましたが、残念ながらオフサイド。前半は1対1で終了。
後半開始でグランドに出てくる選手達の中にオーウェンの姿が見えません。交代でした。それどころか
イングランドは5、6人同時に交代していたらしく(おそらく怪我を恐れてのことでしょうが・・・)、
それに気づいたカメルーンもすぐにメンバーを交代し、後半の最後は両チームとも2軍の戦いになって
いました。試合のほうはカメルーンが押し気味ながらもイングランドがロスタイムで追いつき、
2対2で終了しました。
試合全体としてはカメルーンが押していました。中盤は完全にカメルーンが支配し、イングランドは
カウンターかサイドからの攻め上がりだけで、中盤らしい中盤はまったくなかったといえるかも
しれません。やはりベッカムの怪我は大きいです。優勝候補の一角と言われるイングランドですが、
この試合を見る限りでは優勝には程遠いと感じずにはいられませんでした。サッカーには次のような
言葉があります。"中盤を制するものは試合を制す"。イングランドが"中盤を制する"にはやはり
ベッカムの復帰が絶対条件のようです。
それとこの試合を見ていて気づいた点がもう1つ。それはサポーターの静かさです。代表戦だという
のにスタジアムはかなり静まりかえっていて、シュートやファインプレー以外の時は本当に何もない。
途中でスタンドの一部からウェーブが起きましたが、スタンドを1周するどころか4分の1もいかない
間に終わってしまうありさまです。テレビで見ている限り日本代表の試合ではそんなことはなく、
スタンド全体で盛り上がっていたのですが、日本戦以外の試合の時にはこんなにも静まり返った
状況で試合が展開されるのだろうかと思ってしまいました。というのもロンドンでプレミア・リーグを
観戦したときのサポーターの熱狂振りと日本のサポーターとの間にかなり大きな温度差が感じられ、
各国代表の選手達も「なんだこの静けさは?」と調子狂ってしまうのではないのでしょうか?と
いらぬ心配をしてしまいました。日本人からすれば"お行儀が良い"という表現になるのかもしれません
が、外国人からすれば"静か"だと感じられるだけなのではないでしょうか?これはサッカーの応援だけ
に限ったことではなく、一般的に日本人は盛り上がり方が下手な気がします。今回のW杯をきっかけに
日本人が上手な"盛り上がり方"を勉強できればとも思いました。
それと名古屋にいるときはW杯開幕はもうすぐなのに、まったく盛り上がりがないと思っていましたが、
試合のある神戸に行って、驚きました。三宮の駅を降りてすぐに街灯にW杯のフラッグが
下げられているし、神戸の試合に参加するチームの応援用のメッセージ入り国旗がセンター街の
天井から吊るされていたり、花時計がW杯の公式ロゴの模様になっていたり、地下街に日本代表の
パネルが並べられていたり、街のいたるところで”W杯”を感じられて、何で名古屋ではないんだろう
?と悔しい思いをしました。でも自分の中ではもともと高かったW杯熱がさらに高まりました。
次回は前回の予告どおり、歴代の大会得点王と大会MVP、そして今大会の得点王候補、MVP候補の
プレーヤーを紹介したいと思います。
See Ya!!
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