2002年5月30日(木) 「MVPと得点王の行方」


さていよいよ明日開幕のW杯ですが、今回は予告通り歴代MVPと歴代得点王の歴史、そして今大会の MVPと得点王の候補の選手達を紹介していきたいと思います。

今大会の得点王候補としてはイングランド・プレミアリーグで2度得点王を獲得し、昨年度の欧州 最優秀選手賞バロンドールを獲得したオーウェン(イングランド)、スペインの至宝と言われ、今期 ヨーロッパを制したレアル・マドリードのエースでもあるラウール(スペイン)、今期プレミアリーグを 制したアーセナルのFWアンリ(フランス)、イタリア・セリエAの2000/2001年シーズン得点王 クレスポと同じくセリエA得点王獲得経験を持つバティストゥータの組む強豪アルゼンチン史上最強の 2トップ、スペインのリーガ・エスパニョーラ得点王経験を持つビエリとセリエA得点王の経歴を持つ インザーギのこちらも強豪イタリア代表の2トップ。そして"20世紀最後の怪物"と言われ、一時は 怪我で選手生命を危ぶまれたが見事に復活を遂げたロナウド(ブラジル)、以上8人が一般的に 考えられる得点王候補ではないだろうか?順当にいけばオーウェンというのが普通でしょう。

下の表を見てください。歴代のMVPと得点王です。MVPはFIFAが公式に発表しては いませんが、アディダス社がFIFA公認の元に発表しているゴールデン・ボール賞というものが あり、それが事実上のW杯MVPとなっています。
開催国(開催年)優勝国MVP得点王
アルゼンチン(1978年)アルゼンチン マリオ・ケンペス(アルゼンチン)マリオ・ケンペス(アルゼンチン)
スペイン(1982年)イタリア パオロ・ロッシ(イタリア)パオロ・ロッシ(イタリア)
メキシコ(1986年)アルゼンチン ディエゴ・マラドーナ(アルゼンチン)ゲイリー・リネカー(イングランド)
イタリア(1990年)西ドイツ サルバトーレ・スキラッチ(イタリア)サルバトーレ・スキラッチ(イタリア)
アメリカ(1994年)ブラジル ロマーリオ(ブラジル)サレンコ(ロシア)、ストイチコフ(ブルガリア)
フランス(1998年)フランス ロナウド(ブラジル)ダボル・シュケル(クロアチア)
日本・韓国(2002年)
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得点王は近年の大会はずっと6得点となっています。予選から決勝まで勝ち残った場合7試合を戦う ことになり、平均1試合1得点となります。逆に2試合でハット・トリックを決めれば、それだけで 大会得点王になりうるということです。その例が94年アメリカ大会の得点王ロシアのサレンコです。 ロシアは予選リーグで敗退したにもかかわらず、6得点を取り、タイトルを獲得しました。そのうち 5得点を1試合で獲得しました。
以上を踏まえて得点王の条件を整理すると、
@なるべく多くの試合をできる強豪チームのストライカーである。
A同じチームに点取り屋が複数いないこと(複数いれば当然、分散されてしまうので)。
B予選リーグで得点を稼げる(対戦相手との実力差があり、得点しやすい)こと。
の3つくらいになるかと思います。
そこで先ほど述べた8人から今大会得点王を選ぶとすると、条件@は8人ともクリアしています。 しかし条件Aにアルゼンチンのクレスポ、バティストゥータ、イタリアのインザーギ、ビエリの4人が 引っかかります。そして条件Bで「死のグループF組」のイングランドのオーウェンとまたしても アルゼンチンの2人が引っかかります。すると残るのはアンリ、ラウール、ロナウドということに なるわけですが、フランス代表にはアンリ以外にもトレセゲという点取り屋がいる上に、司令塔 ジダンが負傷し、得点チャンスが減少するとも考えられます。というわけで、 得点王はスペイン代表ラウールかブラジル代表ロナウドでは ないでしょうか?私の個人的な希望を述べさせてもらえれば、オーウェンに獲得してもらいたい ものですが・・・。

MVP候補としては上記8人以外にもベッカム(イングランド)、ジダン(フランス)、オルテガ、ベロン (以上アルゼンチン)、トッティ、デルピエロ(以上イタリア)、リバウド(ブラジル)、カーン(ドイツ)ら が挙げられます。しかし大会MVPは、毎回優勝国から 選出されています。それを踏まえると可能性が高いのはフランス、アルゼンチン、イタリアあたりの 選手でしょうか。しかしこれも個人的な希望を言わせてもらえればイングランドが優勝し、 オーウェンが得点王、そしてMVPはベッカムが獲得してくれたらと思います。

もうお気づきの読者の方もいらっしゃるかと思いますが、私は イングランドびいきです。

何はともあれ、4年に1度のサッカーの祭典、そして世界最大のスポーツ・イベントはいよいよ明日 開幕です!!
今後1ヶ月寝不足の日々が続くかと思いますが、みなさん、思いっきり世界のサッカーを Enjoyしましょう!!
See Ya!!

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