2002年6月7日(金) 「"Yes,England!!"」


気がつけば、このコラムも今回でとうとう100回を数えることになりました。その記念すべき 100回目のテーマは日本中が燃えているW杯です。

本日の試合、「イングランドvsアルゼンチン」は開幕前から予選屈指の好カードと言われて いましたが、その前評判に恥じない素晴らしい内容でした。予選リーグはどれもレベルの高い試合が 続いていますが、この試合はさらにワンランク上の次元の試合でした。決勝トーナメントでも ここまでハイレベルな試合というと準決勝くらいまで行かないと見れないのではないだろうか。 そういう意味でも、今日この試合を生で見れたサポーターはとても、とっても羨ましいです。
この両チームの対戦はマラドーナの"神の手"や"5人抜き"を生んだだけでなく、前回フランス大会では ベッカムが退場処分となったなどの因縁があります。さらにサッカーの歴史だけでなく、 フォークランド紛争といった政治的背景もあり、サッカー大国の対戦というだけではない、何か異常な 注目を集めていた試合でもありました。

試合開始直後は両チームともおとなしい立ち上がりでしたが、アルゼンチンのバティストゥータが イエローカードをもらったことで試合が大きく動きました。イングランドのオーウェンがポスト直撃の シュートを放てば、バティがヘディング・シュートを放つ。両チームともハイレベルな中盤でのパス 回しから決定的なチャンスを作っていました。そして前半終了間際、オーウェンがドリブルで 切り込もうとしたところでファウルが取られ、得たPKをベッカムが決めました。オーウェンの もらったPKをベッカムが決めるというイングランドにとっては最高の形での得点となりました。
後半も両国とも一進一退の攻防が続きましたが、残り20分はイングランドの中盤が疲れてきたのか、 アルゼンチンの猛攻でした。しかし、結局試合は1対0で終了し、イングランドが4年前の雪辱を 果たすという形になりました。

前半は中盤は五分五分でしたが、イングランドはテストマッチから第1戦まで不調だったオーウェンが 復調の兆しを見せ、FWはイングランドに分があったように思います。貴重な得点もオーウェンの 突破が生んだものでした。次の試合からはオーウェンの得点を期待できるのではないでしょうか?
後半の最初はイングランドが決定機を4度(オーウェンの突破、ベッカムの突破、シェリンガムの ダイレクト・ボレー、スコールズのボレー)作りましたが、どれもゴールネットを揺らすことは できませんでした。アルゼンチンはクレスポとアイマールを入れてから怒涛の攻めを見せます。正直 スタメンのベロンよりもアイマールのほうが動きが良かったと思います。

気になったのが、イングランドの中盤。後半は疲れていたように見えました。最終戦は15時半開始と いうことを考えると暑いはず。そうなるとばててくる。しかし相手はアフリカのチームで暑さに 関しては、イングランドにハンデとなりうるのではないだろうか?
一方、アルゼンチンは最終戦、勝てば自力で決勝トーナメント進出が決まるが、引き分けると イングランドが負けて、なおかつ得失点の関係も絡んでくるので、勝ちを狙って戦ってくるのでは ないだろうか?

それにしても今日の試合は本当にレベルの高い、"これぞW杯!"といった試合でした。 イングランドびいきの私としては、"Yes,England!!"と思わず 叫んでしまったないようでした。
これからもこういったレベルの高い試合を数多く期待したいと思います。
See Ya!!

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