2002年6月7日(金) 「"混乱"と"混沌"」


とうとう待ちに待ったW杯が開幕しました。
そして開幕から1週間が経ち、すでに数多くのドラマが生まれました。

まずは波乱!!開幕戦で前回王者フランスがアフリカの新鋭セネガルに敗れ、続く第2戦 対ウルグアイの試合も開始早々にアンリが退場し、10人で戦わざるを得なくなり、スコアレス・ ドローの引き分けに終わりました。この結果予選突破の条件として最終戦では2点差以上での勝利が 最低条件となります。A組のもう片方の試合結果によっては2点差以上で勝ったとしても予選敗退の 可能性があります。フランスと言えば、3人の得点王(イタリア・セリエAのトレセゲ、イングランド・ プレミア・リーグのアンリ、そしてフランス・リーグのシセ)を抱え、その攻撃力はA組では群を 抜いていると思われていたのですが2試合を終えて未だ得点は0。W杯ではこういうことが 起こるんです。
そして波乱と言えば、もうひとつD組。第1試合を終えて、韓国とアメリカが勝ち点3。ポーランドと 優勝候補の一つであったポルトガルが勝ち点0という状況です。こういった状況を予想した人が 何人いたんでしょうか?特に韓国戦は日本戦の直後に放送され、応援に行ったスポーツバーで、日本戦 終了後、そのまま韓国戦が放送され韓国を応援していました。そして6大会目にして初勝利を得た 瞬間はすごく嬉しかったです。日本が引き分けだったので悔しい気持ちもなくはないですが、同じ アジアの国、そして今回のW杯共催の相手でもあり、日本人・韓国人といった区別なく、同じアジア 人として素直に韓国の勝利を祝福できました。

続いては今大会のニュー・ヒーロー。まずはドイツのクローゼ。2試合を終えて4得点の活躍で、 点取り屋としてだけでなく、守備にも顔を出し、ボールもつなげる選手でもしドイツが優勝するなら、 今大会のMVPになるかもしれません。そして同じくドイツのバラック。点取り屋のクローゼばかりが 目立っていて日陰の存在になっていますが、ダイスラーが抜けたドイツの攻撃を支える選手で日本の 名波に似たタイプの選手です。
そしてアフリカ勢にも注目すべき選手が多いです。セネガルのデュウフ、カメルーンのエトゥー、 ナイジェリアのオコチャらは身体能力の武器だけでなく、個人技も非常に高いレベルのものを見せて くれています。自分が知らなかったのはウルグアイのレコバ。昨日のフランス戦では素晴らしいパスを 何本も出していました。

続いては混沌。A組とD組が"混乱"しているのに対し、E組とF組は"混沌"としてきました。 E組ではドイツは得失点差の関係(初戦で+8)で引き分け以上で決勝トーナメント進出が 決まりますが、カメルーンとアイルランドもその可能性はあります。
そしてなんと言ってもF組。開幕前から"死のグループ"と呼ばれ、今日の2試合目を終えた時点で、 イングランドとスウェーデンが勝ち点4、アルゼンチンが3、サウジは0です。最終戦、 イングランドとスウェーデンは引き分け以上で決勝トーナメント進出。逆にアルゼンチンは自力で 行くには勝利が必要で、引き分けの場合はイングランドが負けて、さらに得失点差も考慮しなければ なりません。大会前、優勝候補の最右翼と呼ばれていたフランスとアルゼンチンが両チームとも 予選リーグで姿を消す可能性も出てきました。それはあまりにも寂しいので最終戦は両チーム共に 勝ち点3を獲得してもらいたいものです。

次回は予選リーグを終えて・・・、そして決勝トーナメントの展望といった感じのテーマで 書いてみたいと思います。
See Ya!!

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