2002年7月3日(水) 「BEST -part1-」
W杯が終わり、大会MVPが発表されました。多くのサッカー解説者の予想(ブラジル、ロナウド)を
裏切り、ドイツの守護神カーンが史上初めてゴール・キーパーとしてのMVP受賞となりました。
21世紀最初、アジアで初めて、初めての2カ国共催、ベスト8に5大陸が史上初めて残り・・・、
初物尽くしの今大会でしたが、最後の最後まで初物となりました。
私としてはこのMVPが妥当なものであると思います。準決勝までのカーンの神懸り的なセーブを
考えると、MVPを受賞するのは当然のことですし、大会MVPである以上、ある1試合だけでなく、
大会を通しての活躍が必要となります。この点から考えるとロナウドもMVPにふさわしい活躍だった
と思いますが、ロナウドの8ゴール以上にカーンの"神懸り"セーブが記憶に残ったということでしょう。
私が驚きだったのが、MVPの3位に韓国のホン・ミョンボが入っていたことです。韓国チームは
ベスト4に入り、アジアのチームが世界に認められた感はありましたが、アジアの一選手がW杯という
大舞台で世界に認められたということになるのでしょうか。また、そうであってほしいとも思います。
さて、1ヶ月64試合にわたったW杯において数々の"BEST"が生まれました。その中から私の記憶に
残る"BEST"について書いてみたいと思います。
まず、"BEST MATCH"です。これは「死の組」イングランドvsアルゼンチンやPK戦までもつれた
アイルランドvsスペインなども迷うのですが、やはり決勝トーナメント1回戦、日本代表が敗れた
その日の夜、隣国が赤く染まった試合、韓国vsイタリアです。前半、PKを獲得したが、外した韓国。
イタリアが先制し、そのまま後半終了間近までイタリアの1点リードで試合が進み、終了直前に
ソル・ギヒョンのゴールで追いつき、延長後半、PKを外したアン・ジョン・ファンがゴールデン・
ゴール!!この試合を見て、日本が負けていたことなどすっかり忘れて、心の底から韓国を応援して
いました。サッカーにおけるスリル感、国の威信、選手の気迫、チーム・プレー、個人技など
ありとあらゆる・・・そして純粋にサッカーの楽しさが凝縮された試合だったと思います。
続いては"BEST GOAL"です。これはいくつも候補があって"BEST MATCH"以上に悩むのですが、ざっと
印象に残っているシュートを挙げてみると、コスタリカ戦で炸裂したエジミウソン(ブラジル)の
オーバー・ヘッド、ダリオ・ロドリゲス(ウルグアイ)の左足ダイレクト・ボレー、
ラウール(スペイン)の華麗なフェイント&技あり股抜きシュート、韓国の初勝利につながった
ファン・ソン・ホンホン(韓国)の左ボレー、日本戦で見せたウィルモッツ(ベルギー)のオーバー・
ヘッド、ベルギー戦でブラジルを救ったリバウド(ブラジル)の胸トラップ回転シュート、イルハン
(トルコ)のハーフ・ボレーなど・・・。しかし一番印象に残っているのはポルトガルを予選敗退に
追いやったパク・チ・ソン(韓国)の胸トラップ、右足で浮かせ、左でシュートの一連の流れに沿った
スーパー・シュート!!普通ならトラップしたボールをそのまま右でシュートに行くところを敵DFが
寄せてきたのを逆手にとって軽く浮かせDFを交わす。そして落ちてくるボールを左足でシュート!!
アジアの選手がこんなプレーをできるなんて、ましてその選手がJリーグに在籍しているなんて
本当に驚きです。
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