2003年10月29日(水)
「"世界同時"の祭りを楽しもう!」



いよいよ来週、三部作完結編である映画「マトリックス〜レボリューションズ〜」が公開されます。 第一部が公開された当時は今までにないまったく新しい斬新なストーリー展開、そして何よりも今まで 見たことのないまったく新しいスタイリッシュな映像展開に映画界のみならず、様々なメディアが "新世紀のメディア"を感じたのではないでしょうか?
その新世紀、21世紀の映画がいよいよ完結するわけです。この完結編には「始まりがあるものには すべて終わりがある」というコピーがつけられています。始まりが今までにない始まり方であった この作品は終わり方も今までにないものになりました。それは全世界同日同時刻公開という前代未聞の 体制を敷いたことです。公開日は2003年11月5日(水)。そして時刻は日本23:00、ロサンゼルス6:00と いった風に、世界標準時で14:00上映開始で、時差に関係なく世界中でまさに"同じ瞬間"に3部作 完結編が始まるのです。

今までは同日公開というのは何度かありましたが、これは日米同時公開というもので、全世界同時 公開というものは少なく、今回の公開スタイルとは異なっています。
ではなぜ、このような公開スタイルに踏み切ったのか?私が思うに理由は三つあります。
まずは上の日米同時公開と同じ理由になるのですが、タイムラグによる情報漏洩を防ぐためでしょう。] いまやインターネットによって様々な情報が瞬時に行き交う世の中ですから、日本にいながら日本では 公開されていない映画の作品批評などを見ることができます。(私が実際に行っていることです) ですから、アメリカでこけた映画は他の国でもこける可能性が高いのです。
更にブロードバンドの普及が進み、インターネット上で映画を見ることも可能になり、裏サイトの 世界では公開直後の映画を見ることも可能な世界が確立しており、こういった事情からも早く 見てもらいたいと考えるのはごく自然ではないでしょうか?
二つ目に考えられるのは興行収入の新記録樹立。といっても最終的な興行収入ではなく、公開一週目の 世界興行収入の話です。昔は各国ごとに収入を出して、最終的に世界中での興行収入を計算するまでに 時間がかかりました。また公開時期が国によって異なるため、公開一週目の世界における興行収入の 集計はあまり意味がありませんでした。しかし、迅速に集計が行え、世界中で同日公開が増え、 ワールドワイドな興行収入の記録というものが確立されてきました。そこで、新記録を樹立するために 全世界同時公開にすることで、一週目の記録を大幅に更新してしまおうというわけです。
そして最後の理由が「マトリックス」だからです。世界同時公開したからといって必ずしも全ての 作品が新記録を樹立できるわけではありません。第一の理由と矛盾しますが、むしろアメリカでの 実績がないまま公開して、「全米大ヒット」などの宣伝文句を使えずに世界中でこける可能性のほうが 高いかもしれません。しかし「マトリックス」は前二作の実績があり、しかも第二部が半年前に 公開されたばかりで、公開一ヶ月前にDVDを発売という戦略で世界規模でのお祭りのようなものに なっているわけです。今まではテレビの世界だけの話であった"世界同時"が、映画の世界にも 現れたのです。例えばサッカーのワールド・カップやオリンピックのように世界中で"同時"に、同じ 作品を見て、同じ感動を味わえるお祭りなのです。(ワールド・カップやオリンピックはスポーツの 祭典などと言われますしね)

新しい皆さんもこのお祭りを楽しんでください!!

See Ya!!

前へ次へ

コラムトップへ