2003年12月3日(水)
「アナログからデジタルへ」



昨日、東京、大阪、名古屋の三大都市圏において地上波デジタル放送が開始されました。地上波デジタル対応TVや対応アンテナの売れ行きから判断すると、世間的にはそれほど普及していないようですが、2011年に現行のアナログ波はなくなり、三大都市圏のみでなく、全国にデジタル放送が展開される予定になっています。

デジタルの利点は何か?というといくつか答えはあります。
そもそもデジタルとは「0」と「1」の2つの数字のみで作られた電子世界(つまり存在するか、しないかのいずれか)であり、一方のアナログは「0」と「1」の間に「0.3」や「0.5」といった数字があります。そのため、デジタルならば「0」か「1」のどちらかを拾って映像にすればよく、アナログのように「0」と「1」の間の数字を拾う必要がなく、データの加工や転送がしやすいのです。カセットテープの音質は使用頻度に応じて劣化(「0.11」が「0.10」に変わったりする)しますが、CDならば劣化しないのはこのためです。逆にいうと、CDでは限られた音域しか再生できないことになりますが・・・、人間の耳に"音"として聞こえる周波数はカバーしているため、実用化されているのです。ですから超音波といった類のものは聞こえません。(コウモリが音波を使って位置確認をしているといわれますが、その音が人間に聞こえないのと同じようなものです)
若干話がそれてしまいましたが、改めてデジタルの利点を述べていきたいと思います。
例えば、アナログに比べて画質・音質が良いです。デジタル通信の身近な例を挙げるとすれば、パソコン通信や携帯電話のダウンロードなどがそうです。電波の悪い場所での通話がひどく聞こえにくいものになるのは皆様体験したことがあると思いますが、ダウンロードした着メロの音質が悪くなることはないですよね?それと同じでデジタル放送もいったん受信してしまえば、DVDと同じレベルの画質・音質が楽しめるというわけです。
さらにホームシアターなどの対応機器があれば、番組によっては5.1chのサラウンドで番組を見ることも可能になります。

もう一つ利点を挙げるとすれば、ツー・ウェイ・コミュニケーションができることでしょうか?現在のBSデジタル放送で既に運用されているデータ放送のように、視聴者がクイズに参加したり、スポーツの試合であれば出場選手のプロフィールを好きな時に見ることができる、といった具合です。
この機能を発展させて、チャンネルを代えると同時に収集センターのようなところにその情報を送る仕組みができれば、一部の家庭のみで調査している現在の視聴率調査も、より正確に、TVを持っている全家庭の実状を反映したものになるのではないでしょうか?そうすれば最近の日テレのような視聴率操作もなくなるでしょうし・・・。
そして現在のテレコング(テレビを見ている視聴者が電話によって番組内の候補に投票する仕組)も、テレビを通してすることができるようになるわけです。
つまり、テレビ局が一方的に映像を提供するだけの存在であったテレビが視聴者からも情報を発信することができるようになるわけです。

他にも日本経済の振興にも一役買うのではないかと思われます。長いスパンで見れば、全家庭のテレビがデジタル対応のテレビになるわけですから、その購入費、そしてデジタルテレビそのものの製造費、流通費などが市場に流通し、さらに電波を送受信するための施設も必要で、そのための費用も莫大なものになるのではないでしょうか?ちなみに名古屋地区では地上波デジタル用に新しいテレビ塔が建設されました。(我が家から見ることができます)

レンタルの映像がビデオテープ(アナログ)からDVD(デジタル)に変わっていくのに合わせるかのように、テレビもアナログからデジタルに変わっていこうとしています。
大げさな言い方をすれば、「一つの時代が終わり、一つの時代が始まる」歴史的瞬間なのです。

See Ya!!

前へ次へ

コラムトップへ