2003年12月9日(火)
「2004年正月映画」
今年の正月映画は昨年、一昨年と正月、そして年間1位の座についた「ハリー・ポッター」が不在です。そのため「マトリックス〜レボリューション〜」「ラスト・サムライ」「ファインディング・ニモ」の3強を中心とした興行となりそうですが、個人的に楽しみにしていた「バッド・ボーイズ2バッド」「ブルース・オールマイティ」の2作を加えた計5作品を中心に紹介していきたいと思います。
"Year of Matrix"と大々的な宣伝をし、第2部と合わせて非常に期待の高かった「マトリックス」でしたが、第2部は最初こそ記録的なスタートダッシュを切ったものの、最終的には配給会社の予想興収150億円に遠く及ばない110億円でした。そして最終章である第3部も公開から1ヶ月が経ち、大方の予想を裏切り、第2部の興収110億円どころか第1部の80億円すら届かないかもしれないと報道されています。事実、公開4週目にして、興収第1位の座を奪われ、本家アメリカでも既にトップ10から姿を消してしまいました。複雑すぎるストーリー展開が嫌われているようですが、それを補って余りあるアクション・シーン(ドラゴン・ボール実写版はこうなるだろう)を見るだけでも十分に楽しめる作品だと私は思います。(私はストーリー展開も好きだが、最後だけは腑に落ちなかった・・・)
その「マトリックス」を引き摺り下ろした伏兵「バッド・ボーイズ2バッド」は公開直前にテレビでパート1が放映されたこともあってか、初登場1位という成績を残しました。内容はマイアミ警察の刑事コンビが麻薬組織と対立しつつ、事件を解決していくというもの。個人的な感想としてはジャッキー・チェンの「ポリス・ストーリー」のリメイクですが、単純に楽しめる作品だと思います。
「ラスト・サムライ」はトム・クルーズが時代劇を演じ、撮影も含めて3度もこの作品のPRのために来日したということで公開前から非常に話題性の高かった作品です。「ハリー・ポッター」が公開されないのも、この作品のためです。どちらも同じワーナー配給作品であり、世界的な興収を約束されたも同然の「ハリー・ポッター」を例年の冬公開から2004年夏の公開へと押しやったほどの期待作なのです。
アメリカで初登場1位になったということが(歴史的な週末興収を記録したわけでもないのに・・・)日本の新聞に掲載されていました。これは前例のないことであり、どれだけ日本のメディアがこの作品に注目していたかということが伺い知れます。
しかしその期待作も別の意味で本場とも言える日本では初登場2位という記録に収まりました。その代わりに1位を獲得したのが「ファインディング・ニモ」です。アメリカをはじめ、世界中の国々では既に公開済みでアニメ映画史上最高興収をあげた作品です。制作したのは昨年「モンスターズ・インク」を、さらに以前「トイ・ストーリー」シリーズを世に送り出したピクサー社です。前作「モンスターズ・インク」の興収が90億円だったことを考えると、100億円は硬いのではないかと思われます。
一方の「ラスト・サムライ」は今まで主演作が大こけした事のないトム・クルーズ主演ということ、そして日本人俳優が出演していること、そしてその日本人俳優の一人である渡辺謙がひょっとするとアカデミー賞助演男優賞を獲得するかもしれないことなどを考えると、かなりの興収をあげそうですが、ファミリー層は「ファインディング・ニモ」に行ってしまうと思われるため、50億円〜70億円といったところでしょうか?
残る「ブルース・オールマイティ」はジム・キャリー主演の作品としてはアメリカで史上最高の興収を記録しました。内容は世の中の不平不満を神様にぶつけたら、「代わりにやってみろ!」ということで1週間だけ神様になってしまうというストーリーです。この作品の興収に関してはなんとも言えませんが、個人的には「トゥルーマン・ショー」と同じ香りがして、非常に楽しみな作品です。
他には3人の犯人によって誘拐された3人の家族を描いたサスペンス「コール」、10カ国4年にわたる旅の中で育まれる愛を描いた「すべては愛のために」といったところが、時間があれば見てみたいと思う作品です。
まとめると正月映画の勝者は「ファインディング・ニモ」が一抜けで、「マトリックス」と「ラスト・サムライ」が同じくらいの成績でそれに続く形になるのではないでしょうか?
この冬の陣を制した映画が、全米公開を2週間後に控え、日本では春の陣を制すると思われる「ロード・オブ・ザ・リング」最終章、そして夏の陣を制すると思われる「ハリー・ポッター」第3弾と2004年度年間興収1位の座を競い合うことになるかと思われます。
皆さんもぜひ冬の陣を楽しんでください。
See Ya!!
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