コンスタンティン
採点:★★★★☆☆☆☆☆☆
2005年2月21日(映画館)
主演:キアヌ・リーブス
監督:フランシス・ローレンス

先日、プレミアで生キアヌを見てきた直後ということもあり、見に行った作品。

探偵のジョン・コンスタンティンは人には見えないものが見える。ある時、婦人警官アンジェラが彼の元を訪ねてくる。彼女の妹イザベルが不自然な死を遂げたので、探偵である彼に調査依頼に来たのだった。二人は、ロサンゼルスの街の下に存在する悪魔と天使の世界で調査を始める。そしてコンスタンティンは天国と地獄、両方からの代表者と取引をする立場にいることを利用し、謎の解明をしていく。

キアヌのイメージ的には「マトリックス」に近いものがある。「マトリックス」ではコンピュータの作り出した世界と現実の世界を行き来する救世主を描いていたが、この作品では天国と地獄、そして現世を行き来する人間として描かれている。
そして彼を襲う敵はエージェントから悪魔や堕天使に変わっているが、それら襲い来る敵を倒していくという意味では本質的に似ていると言える。

ただし、英語がわからない。単純に知らない単語が多いというだけではなく、おそらく宗教関係の話も知っていないと理解が難しいと思われる。ガブリエルという天使が出てきたりするので、この辺りの天使の名前を知っているのと知らないのとでは理解度がまったく異なってくるだろう。
こういう点でも「マトリックス」に近いと言える。「マトリックス」も字幕なしの英語だけで見ていたら、一回見ただけではストーリーは"???"だったろうから、この作品もそれに似た感想を持った。

が、完成度という意味で言えば、この作品は「マトリックス」には遠く及ばない。
まず、物語の中に謎が一杯あるのだが、その謎の解明がされていない点。たとえば、ヒロインがコンスタンティンを尋ねてきて、最初は断っているにも関わらず、いつのまにか、協力している。しばらくして、ヒロインが連れ去られるのだが、なぜ連れ去られたのか、わからない。
またこの作品の一番の汚点は主人公が最後の敵を倒す際に寝ている。つまり、最大の敵を主人公以外のキャラが倒してしまうのだ。しかもそのキャラというのが、最後の戦いの最中に出てきた新顔のキャラで、敵キャラを倒すためだけに登場した、そんなキャラなのだ。いわば、ドラゴン・クエスト3で、最終ボスであるゾーマを倒すのが勇者ではない、といった感じだ。

自分がもう一つ、他の作品に似ているなと思った作品がある。「陰陽師」である。御札が紋章に変わり、日本古来の武器が、西洋的な銃などの武器に変わったものの、内容的にはどちらも普通の人間には見えない世界の生物を倒していく。
この作品、西洋版「陰陽師」とも言える作品です。

一口コメント:
最終ボスを主人公が倒さない、という非常に珍しい作品です。

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