パイレーツ・オブ・カリビアン
~デッドマンズ・チェスト~
採点:★★★★★★☆☆☆☆
2006年7月16日(映画館)
主演:ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ
監督:ゴア・ヴァービンスキー
製作:ジェリー・ブラッカイマー

人気映画の続編で、アメリカでは歴代新記録を樹立しまくっている、そしてキーラ・ナイトレイ出演作ということで、見てきました。

ウィルとエリザベスは結婚式当日、ジャック・スパロウ船長を逃がした罪で逮捕されてしまう。ジュックからコンパスを取り戻すという約束でエリザベスを牢獄に残し、ウィルはジャックを探す旅に出る。残されたエリザベスも父親の協力もあり、脱獄に成功し、彼女もまた海賊に変装して、ウィルを追う旅に出る。
一方パート1で、ブラックパール号を取り戻したジャックだったが、デイビィ・ジョーンズとの契約(=自分の魂を引き渡す)の時が来たことを知る。
一方のウィルはジャックを見つけ出すが、海魔クラーケンに破壊された船を調査中にジャックたちとはぐれてしまう。しかしそこで父親ビルと再会することになる。
そしてウィルを追って旅に出たエリザベスはジャックに再会し、前作で、島に2人が残された時同様、ラム酒をあおる。
そして3人はデイビィ・ジョーンズの心臓が入った"デッドマンズ・チェスト"を探す旅に出る―――。

さて、当面は3部作だが、プロデューサーのブラッカイマーは6部作も考えているという「スター・ウォーズ」化してきた「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズ。
今回も2時間半と結構長く、途中で中だるみする部分がある。はっきりいって、この作品は、大作と呼ばれるSFアクション映画の割には、際立った見せ場的なシーンがなく、主役3人のコメディ・タッチなキャラクター設定と会話で物語が成り立っているといっても過言ではない。
そしてこのパート2は、3人ぞれぞれに異なった物語が用意されていて、それが入り組みながら進行していく形式。もちろん、途中からは3人が一緒になるが、やはり3人一緒になっても、物語の進行はあくまでも3人のキャラ設定中心で、映像的な見せ場らしい見せ場はクラーケンの登場するシーンだけだろうか?このクラーケンも、2時間半の中で複数回登場するので、どんどん新鮮味がなくなっていく。最初の登場シーンは姿が見えず、船が何者かに沈められるという演出だったので、2回目の登場はかなりの恐怖を持って見ることができたが、最後の登場シーンまでそういった"何者"という演出でつないでいれば、このクラーケンの存在をもっと高めることができたのに・・・と考えると少し残念だ。

そして物語前半の最大の見せ場とも言えるジャック一味が正体不明の民族に捕らえられ、当のジャックも晩餐のメイン・ディッシュになる一歩手前というシーン。ジャックが背中に通された棒を使って、投げられる果物を串刺しにするシーン、そして棒高跳びの要領で崖を飛び越えるシーン、さらにそれに続く、一連の落下シーンはこの映画の中で一番の笑いどころだと言える。
一方、ジャック一味が丸いカゴで斜面を転がり落ちるシーン。ジャッキー映画「プロジェクト・イーグル」でジャッキーがやったもの、そのままの映像。ブラッカイマー作品はこれと同じようにジャッキー映画で使われたシーンをそのままやっていることが多く(「バッド・ボーイズ 2バッド」の車で山の斜面に並ぶ家々を突き抜けるシーンなど・・・)、いかにジャッキー・チェンのアクションがすごいのかというのを世界に知らしめている作品でもある。

さて、これから観賞する方には、ぜひパート1を見ることをお勧めする。というか、パート1を見て、退屈だと思った人にはこの作品はお勧めしないし、パート1を見ていないと面白さが半減する。
しかもこの作品自体が、3部作の2作目ということで、中途半端なところで終わってしまい、パート3を見てね!的なエンディングになっているので、わざわざ映画館でこの作品を見なくても、パート3公開時にDVDで観賞してから見る程度で良いと思う。
それとエンド・ロールの最後におまけがついているので、ぜひそれを見てから劇場を出てください!

一口コメント:
ジャッキー映画、ここにもあり!っていう仕上がりのディズニー映画です。

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