ソウ2/SAW2 |
アメリカではハロウィンの時期に公開される定番シリーズの第2作。パート1を見た直後に、引き続き見た続編第2弾。
刑事であるエリックはある時、猟奇的連続殺人犯ジグソウを追う女刑事ケリーに呼び出され殺人現場に立ち会う。その手口から、これもジグソウの犯行だと断定される。犯人が現場に残したヒントから、エリックはアジトを推測し、アジトへと急行し、ジグソウを逮捕しようとする。
だが、そのアジトでエリックが目にしたものは、新たなゲームだった。ある部屋に設置されたモニターには、どこかの部屋に監禁された男女8人が映っており、その中にはエリックの息子ダニエルも閉じこめられているのだった―――。
悪くない。
いや、前作のインパクトを考え、それを踏まえた上で作った続編としてはかなりの出来だ。
続編の定石として、登場人物を増やし、空間を広げ、被害を拡大させているにも関わらず、パート1のラストと同等の大どんでん返しも用意されている。
具体的には閉じ込められる人数が2人から8人へ、閉じ込められる場所が部屋から一軒家へ、そしてゲームの内容が足の切断から、顔面つぶしや注射地獄といった残虐さを一層増したゲームへ・・・と物語の世界は広がっている。
にも関わらず、パート1のルールをきちんと守っている。犯人は直接殺人を犯さない、あくまでも傍観者であり、密閉された空間内でのゲームであり、そして制限時間が設けられていて、ルールに従ってゲームをクリアすれば、無事に生還できる。
パート1のルールを守った上で、パート1と同等の驚きを与えてくれるという意味では、これ以上は望めないくらいの続編だと言っても構わない。
ただし登場人物を8人にしたことで、個々の背景を描く時間がないので、登場人物に対しての感情移入が前作に比べて劣っている。
また捕らえられた8人の中に前作の医者のような頭の切れる人物を1人入れておいて、犯人の仕掛けた罠に対する予防策を講じられる展開にしていれば、もっと面白くなっていたのではないだろうか?というのも、その予防策をも上回る犯人の仕掛けで観客の驚きをさらに増すということができるから。
それと冒頭で描かれる前作を踏まえたクリア方法があるゲームを除くと、クリア方法のない不公平な"ゲーム"ばかりである。前作では予め解決方法が示された状態でゲームに望むため、主人公の"生"に対する執着心と、"死"に対する恐怖心の間における葛藤が面白くもあったのだが、この点において、今作では"死"に対する恐怖心のみしか描写されておらず、登場人物の内面描写にやや不満が残る。
映像から来る恐怖という面では前作を超えているが、上述の指摘点があるため、心理的な恐怖という面では前作よりも劣る。
とはいえ、多くの要素を注ぎ込みながら、その随所に衝撃のラスト・シーンへと繋がる伏線のちりばめ方は相変わらず上手い!
パート3はどんな展開になるのか?とても楽しみな終わり方だったので、はやくパート3、そしてもうじき公開のパート4を見てみたいものです。