インディー・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国 |
20世紀の映画界を代表する三人が手を組んだアドベンチャー・シリーズが19年振りにスクリーンに帰ってくるということで、2007年の内から2008年最大の話題作と噂されていた作品でもあり、個人的にはここ数年で最も期待値の高かった作品でもある。
米ソ冷戦時代の1957年、ロシアの軍人達に連れられてインディ・ジョーンズが"エリア51"にやってくる。彼らはインディに、ある物質を探させようとしていて、目的のものを見つけた瞬間に、インディを殺すはずだった。しかし、インディは何とかそこから逃げ出すことに成功。しかしたどり着いた場所は核実験用のモデルタウンで、核爆弾投下のカウントダウンが始まってしまう。これも何とか切り抜けたインディ。
一度は大学に戻ったインディだったが、すぐさまFBIが彼を追ってくる。その時、バイクに乗ったマットという青年と出会い、ペルーでクリスタル・スカルが発見されたことを告げる・・・。
まずは何はともあれ、インディ・ジョーンズを映画館で、しかもアメリカで見れたというだけで、かなりの満足感を覚えてしまった。上述したが、かなり期待値が高かっただけに、実は心配していたが、とりあえず、満足の行く作品でした。
旧三部作の流れを踏まえた上で、旧三部作とは違う戦後をうまく描いている。
例えば、インディ・シリーズの特徴とも言えるグロテスクなシーンは、今回もきちんと周到されており、同じスタッフ、同じキャストで作った別の作品ではなく、きちんとしたインディの続編として、安心して見る事が出来た。
逆に戦後ということで、敵対組織は今までのナチスから冷戦下のソ連に変更。舞台もシリーズ初の南米ペルー。ペルーといえば、ナスカの地上絵や空中都市マチュピチュ遺跡など、考古学ファンにとっては、ある意味聖地のような存在。そこが舞台となった考古学アドベンチャー・シリーズの権威とも言うべき「インディ・ジョーンズ」。考古学ファンの自分にとって、面白くないはずがない。
しかも扱うのはクリスタル・スカルという現代科学でも作成不可能といわれるクリスタルで出来た骸骨・・・ということで、設定としてはこれ以上ないくらいに魅力的。劇中で「クリスタルスカルなら、大英博物館(世界有数の博物館であり、世界の不思議が数多く眠っていることで有名)で見たことがある」という台詞が飛び出すくらいに、この設定は魅力的なのだ。
正直、ストーリー自体はそんなにびっくりするような展開ではないのだが、テンポのよさと、アクションシーンの迫力、そして合間に挟まれるジョーク・・・と、とにかく次から次へと飽きることなく、物語が進んで行き、"ジェット・コースター・ムービー"という言葉を生み出した元祖の名に恥じない、息もつかせぬ展開になっています。
図書館で熱心に考古学を勉強している学生に向かって「考古学者になりたかったら、図書館にこもってなんかいなくて、外へ出ろ!」と言う台詞に、"あぁ、これでこそ、インディだ!"と妙に納得したりしてしまった。
そしてインディ=考古学というこなのか、オープニングにおけるパラマウント・スタジオのロゴもわざと古くされており、考古学を扱った映画ではあるが、逆に新鮮に映った。そのロゴと映画の始まりが上手くかみ合っている辺りも映画の始まりとして、そしてインディの続編としては最良ではないだろうか?
インディの続編という意味においては、グロいシーンがあるのもお約束。パート2の心臓抉り出しや脳みそスープのようなものはないが、パート1における蛇の群れ、パート2における虫の大群、そしてパート3におけるネズミの大群といった大群シリーズは今作にも入っており、ここでもインディを感じることができる。
ただ一つ難点を挙げるとすれば、最後のオチ。せっかくのインディの世界観を、最後の最後で良い意味でも、悪い意味でも、ぶち壊してくれる。19年間いろんな脚本を拒み続けてきたルーカスの選んだ脚本がこれなのか!?と、ちょっとルーカスのセンスを疑ってしまった。
旧三部作当時は考古学アドベンチャー映画といえば、インディ・ジョーンズ!といった感じがあったかもしれないが、現代においては、「ナショナル・トレジャー